玉川大学出版部の本


博物館をみせる -人々のための展示プランニング-

K. マックリーン(エクスプロラトリアム展示・プログラム部門ディレクター)著
井島真知(林原自然科学博物館・展示普及部エデュケーター)・
芦谷美奈子(滋賀県立琵琶湖博物館・主任学芸員)訳

A5判並製・272頁
定価 :4,200円(税込)
発行年月 :2003年5月
ISBN :ISBN4-472-30258-6 C3037
ジャンル :総記

博物館の展示とその開発はどうあるべきなのか、利用者の立場を展示のつくり手はどう考えればいいのかを、経験豊富な著者が実例に即して具体的に述べている。徹底的に利用者の経験を重視する姿勢で貫かれた本書は、開かれた博物館を実践していく日本の学芸員や学芸員を目指す人にとって学ぶところが多いであろう。待望の邦訳。

主な目次

日本語版によせて
  まえがき
  謝辞
  はじめに

1章 博物館利用者
  課題:展示を見に来る人々のことをもっとよく知り、利用者の視点から博物館を経験する
  利用者はどんな人々で、何を望んでいるか/展示における学び/ミステリーと発見/利用者との接点
2章 博物館の展示
  課題:メディアとしての博物館展示の力と限界を深く理解する
  展示はモノ(物体)を見せる/展示のコミュニケーション/展示は経験/展示をつくる側が取り組むべきこと/展示を成功させる要素とは/展示にはいろいろある/資料を中心にした展示/現象を説明する展示装置/トピック展示/常設展示、短期展示、巡回展示/「実のある」展示
3章 チームと体制--チームのプレイヤーたち
  課題:利用者の展示経験を最重要視する展示プランニングの作業集団をつくる
  専門家がつくる展示/専門家集団/専門的ジェネラリスト/チームワークの心理学/チームのありかた/ひとつの傘のもと(アンブレラの原理)/まとめ
4章 展示開発のプロセス
  課題:展示開発を促進するプロセスのために柔軟なガイドラインをつくる
  創造のプロセス/制約は常にある/展示開発のステップ/プロセスを改善する
5章 正しくと行う--利用者研究、評価、そして展示
  課題:展示が利用者に与える影響力にもっと目を向け、利用者を展示開発のプロセスに巻き込む
  評価とは何か?/評価と展示の現実/博物館経験の向上
6章 展示開発における問題解決
  課題:展示開発と展示デザインを、展示場での人々の経験に、より焦点を当てるための問題解決のプロセスととらえる
  問題解決と創造性/問題を明確にする/創造を妨げるもの/問題解決テクニック
7章 参加型・インタラクティブ展示
  課題:使いやすく、実験心や探求心を助長するような参加型、インタラクティブ展示をつくる
  新しいコンセプトではない/インタラクティブ展示のプランニング/確実に作用させる /メンテナンスと修理/では、美術館や歴史博物館は?
8章 ラベル--展示の語り手
  課題:人が読んで分かりやすい展示解説をつくる
  解説をつけるべきか、つけぬべきか/伝達者としての解説ラベル/よい解説ラベルをつくる/解説ラベルのねらいと目的を確立する/盛り込みすぎない/さまざまなメディアを使う/効果的な執筆・編集プロセスをつくりだす/解説ラベルとデザイン/読みやすいデザイン/最終的に考えること
9章 空間を変容させる
課題:展示空間が人に与える影響を理解する
空間を構成する/調和/雰囲気/歩調/空間を決める構造物/空間と文化
10章 外 観--色、質感、グラフィック、素材
  課題:外観のデザインによって展示テーマを強化する
  色/質感(テクスチャー)/外観加工の手法としてのグラフィック/素材
11章 光で導く
  課題:人が光にどう反応するかを理解し、展示をよくするためにそれを利用する 
  観覧者のための照明/照明とデザイン/照明と色/資料保存係の懸念-照度測定/照明の種類/照明システムと装置/照明のメンテナンス
12章 博物館展示--その制約と可能性
  課題:多様な社会においてめまぐるしく変化する需要を認識し、それらを満たす
  予算、人、素材の制約/可能性をひろげるには/利用者に応えて/人々のためにつくる

  補遺A 展示を見る--ある批評の方法
  補遺B 環境への配慮--簡単なガイドライン
  注
  参考文献
  引用文献
  博物館一覧
  展示名一覧
  訳者あとがき
  事項索引
  人名索引

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