談話会報告

第1回 談話会 (2005年2月17日/21世紀COE 第1回 若手の会談話会)

単一神経細胞の多安定状態に対する
計算論的アプローチ

寺前 順之介 氏(玉川大学)


単一細胞を用いたモデルでも多安定状態を形成することができる

複数の異なる状態を安定して保持し続けることは、情報処理の基本として不可欠な重要な機能である。従来、これらの多安定状態は神経細胞がバランス良くネットワークを構成し、始めて実現されると考えられてきた。ところが、最近の実験により、単一の神経細胞自身が既に安定した多安定素子として振舞える事が明らかになって来た。では単一細胞は、どのような機構によって多安定状態を実現しているのであろうか。この発表では、直接的な実験ではなく、計算機による数値計算と、力学系への理論的なアプローチによって得られた、多安定メカニズムの実現可能性について報告したい。


乳児による
言語音声の知覚・認知

梶川 祥世 氏(玉川大学)


赤ちゃんは歌を聞いて言語を学習していると主張

まだ言葉を話すことができない時期の乳児は、どのようにして周囲から与えられる言語音声を聞き取り、ことばを学習するのであろうか。この謎に対する答えが、最近20年間でかなり明らかになってきた。乳児の言語音声習得は、言語学、認知科学、発達心理学等の分野で最も注目されているテーマの一つである。本発表では、連続する言語音声から単語を聞き取る能力に関する実験を紹介する。

日時 2005年2月17日(木)

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