玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
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館蔵資料の紹介 1997年

玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 1997年 > 「全日本学校植林コンクール」入賞盾

「全日本学校植林コンクール」入賞盾

「全日本学校植林コンクール」入賞盾

「全日本学校植林コンクール」
第3位入賞盾
1950年


昭和25年春、讀賣新聞社並びに国土緑化推進委員会共催による「第一回全日本学校植林コンクール」に参加した玉川学園高等部が、優秀な成績をおさめて表彰された。

全国で第3位(東京都では第1位)を勝ち取ったその表彰盾が、現在、学園史料室に大切に保管されている。

「植林とは山に木を植えるほかに、人間の心へ木を植えるものだ」という小原國芳先生が長年抱かれていた持論を実現するために、この時、5カ年植林計画が実施にうつされ、職員、生徒の労作が見事に結実した快挙であった。

コンクール入賞の喜びを酒向誠高等部長(当時)は次のように語っている。

「此度の植林コンクールにおいて、高等部が全国で第3位、東京都で第1位に入賞した報に接して、生徒は申すに及ばず、私共職員の喜びは大きかった。入賞を期待しての作業でなかっただけに、この喜びは格別であった。
思うに、小原先生の『労作教育』、『全人教育』、『宗教教育』、『ピラミッドの土台石』、『第二里行者』、『パイオニア精神』等々の教育理想を生徒がよく身に体しての結果の現れに外ならないと思う。下草刈りに、穴掘りに、運搬に、植付けに、賛美歌を合唱しながら労作する生徒の姿は、一寸他には見られない光景であろうが、この気持ちが、この精神が、図らずも入賞という形で現れたのだと思う。
従って、生徒も職員も、恐らく誰一人として『入賞』などという事は夢にも考えていなかったであろう。何時もと同じ様に、『地味に愛をこめて植林した』という事に一人一人は無上の自己喜悦を感じていたに過ぎなかったことを確信している。
かくして学園の土台は段々と堅固なものに仕上がって行くのであるが、特にここで新たに感謝せねばならぬ事がある。
それは、此度の『入賞』によって小原先生の旗印のもとに集って歩んで来た吾々の姿に一層自信がもてたことと、現今の国情から推して、いかに植林という地味な労作が、重要であるかを認識できたことである。
吾々は今後とも、愛をもって、樹木、森林愛護に精進することによってこの入賞にお答えしたい」。

小原國芳先生が昭和4年玉川学園創立以来、20余年間続けられた全人教育の成果、特に師弟間の温情で培われた労作教育─職員、生徒の融和した協同作業が植林コンクール審査員の心を強く捕らえ、動かしたことは間違いのないことであろう。

「全人」1997年8月号(No.590)より

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