玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
全人掲載年

玉川大学教育博物館
〒194-8610
東京都町田市玉川学園6-1-1
Tel:042-739-8656
Fax:042-739-8654
mail:museum@tamagawa.ac.jp

館蔵資料の紹介 2003年

玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2003年 > 卒業証書

卒業証書

卒業証書

東京帝國大學
1899(明治32)年7月10日
縦 46.7×横 64.8cm


門出の季節にあたり、1通の卒業証書を取り上げたい。学生の名は波多野精一(はたのせいいち)(1877-1950)、東京帝国大学文科大学哲学科卒業時のものである。波多野は、後に京都帝国大学で宗教哲学を担当し、小原國芳もその門下で学んだひとりであった。晩年、草創期の玉川大学に教授として招かれ、玉川学園構内の自宅で病没するまで、宗教哲学や西洋哲学史を講じたのみならず、その存在自体が大学の支柱のひとつであった。

当時の卒業証書は、現代のものと大分趣きを異にしている。哲学担当のケーベルをはじめ、英語の小泉八雲など、各科目を認定した教授陣が各々署名捺印し、分科大学長である文科大学長(現在の文学部長に相当)と総長が順次承認する形をとり、最高学府に相応しい重々しさが醸(かも)し出されている。

なお、1922(大正11)年度から4月入学に改められるまでは、大学は9月入学・7月卒業という制度であった。

「全人」2003年3月号(No.656)より

前の記事を見る  次の記事を見る

玉川大学教育博物館

このページの一番上に戻る