玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
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館蔵資料の紹介 2008年

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子供遊世直し祭り

小学体操図解

井上探景画
三宅半四郎(画工・出版)
和紙
木版色刷
35.5×23.8cm
明治19(1886)年


江戸時代にうまれた子ども用錦絵であるおもちゃ絵は、明治期になると大流行した。おもちゃ絵は、鑑賞を目的としたものと、ハサミや小刀などで切り取り、細工して遊ぶものに分けられる。図版は、子どもたちの体操を取り上げたおもちゃ絵で、和装、洋装などさまざまな服装をした子どもたちが、球竿(きゅうかん)や亜鈴(あれい)を手に軽体操を行っている。どちらかといえば鑑賞用といえるが、子どもによっては切り取って、遊びに使用したかもしれない。

学校教育における体操は、明治11(1878)年、文部省がアメリカからリーランドを体操教師として招き、体操伝習所を開設してから急速に発展していった。体操法の確立と教師養成が行われていく中で、軽体操、兵式体操、戸外遊戯の具体化が進み、明治19(1886)年に学校令が制定された際、体操は正課として確立した。一方で戸外遊戯の普及が、体操と遊戯をあわせもつ運動会へとつながっていった。

「全人」2008年12月号(No.723)より

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