玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
全人掲載年

玉川大学教育博物館
〒194-8610
東京都町田市玉川学園6-1-1
Tel:042-739-8656
Fax:042-739-8654
mail:museum@tamagawa.ac.jp

館蔵資料の紹介 2015年

玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2015年 > 稚遊(おきなあそび)四季之内 夏

稚遊(おきなあそび)四季之内 夏

稚遊(おきなあそび)四季之内 夏

歌川(一猛斎)芳虎画 木版色刷 大判錦絵
縦34.0×横22.4cm 江戸時代後期


アヤメが咲く初夏の頃に、竹馬と赤貝馬(うま)で遊ぶ2人の子どもの姿を歌川芳虎が描いた錦絵である。竹馬は2本の竹にそれぞれ横木を取りつけ、そこに足を乗せて、バランスを取りながら歩く遊び道具である。竹馬といわれる遊びには、他に笹竹を馬に見立てて股にはさみ、またがって遊ぶものがある。幼友だちを「竹馬(ちくば)の友」というのはこの遊びのほうで、中国の『晋書(しんじょ)』の故事からきている。

赤貝馬は、赤貝の殻に穴を開けて紐を通して手綱とし、貝殻を乗馬の際につける鐙(あぶみ)に見立てて足を乗せ、「ぱっかぱっか」と音を立てて歩く遊びである。赤貝のかわりに、竹の節の部分を使ったものを「竹ぽっくり」「竹ぐつ」、明治以降缶詰の空き缶を使ったものを「缶馬(かんうま)」「缶ぽっくり」という。

子どもたちは、少し大きくなると自分たちで工夫をしながら、このような遊び道具を作って遊んでいた。

「全人」2015年9月号(No.797)より

前の記事を見る  次の記事を見る

玉川大学教育博物館

このページの一番上に戻る