玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
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館蔵資料の紹介 2017年

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官報號外 日本國憲法

官報號外 日本國憲法

印刷局 縦29.6× 横21.1cm
1946(昭和21)年11月3日 利光功氏寄贈

最近は憲法改正をめぐる議論が活発なようであるが、今回は現行憲法が公布された当時を偲ぶ資料を紹介する。日本国憲法が公布された1946(昭和21)年11月3日の官報の号外には、新憲法の前文と全条文が掲載されている。漢字は旧字体が使われている。太平洋戦争の後の物資不足の中で制作されたせいか、それ以前の出版物に比べると極めて悪い紙質の、20ページばかりの冊子である。しかし、本文には書き込みや色鉛筆で線を引いた形跡もあり、熱心に読み込まれていたことがわかる。

新憲法は国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という新しい理念を打ち出した。満州事変から太平洋戦争に至るまでの軍国主義、敗戦、そしてGHQ(連合軍最高司令官総司令部)による占領という歴史の大きなうねりの中で、人々はどのように新しい憲法を受容したのであろうか。戦後の混乱の中、戸惑いや不安もあったに違いない。資料の書き込みからは、こうした当時の人々の息遣いがひっそりと伝わってくるようだ。

「全人」2017年2月号(No.813)より

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