みんなで勉強!「お米のこと」

このページは大阪府泉佐野市立日新小学校の「総合的な学習」の授業で使われます.
リアルタイムの授業実験.2001年11月20日/27日

玉川大学・玉川学園/泉佐野市立日新小学校

平成13年11月27日の授業 5年1組

平成13年11月20日の授業 5年2組:3組の授業はこちら


初めまして。私達は、日新小学校5年1組の2班です。 今、もちについて学習しています。次の事を知りたいと思いますので、教えて下さ い。

・なぜ重要行事にもちを使うのですか。よろしくお願いします。

まず君たちに聞きますが「お餅は好きですか?」・・・

先生だったら「はい」ですね.なぜかというと「食べた感じがいい(もちもちしてる)」「あんこや.おしょうゆなどの味付けができておいしい」からです.先生はお餅だ〜いすきです.

お正月には「お雑煮」.鏡開きには「かきもち」.お彼岸は「おはぎ」.お雛様は「桜餅」花見は「だんご」.五月の節句は「柏餅」・・まだまだあるよ・・・お菓子にもお餅を使ったものがたくさんありますね.

さて,お餅が季節の大切な行事に使われるのには理由があります.

1. 中国風にいえば,もともとお団子のようなものを,神様におそなえしていました.これが日本にきてどうやら鏡もちのようなものになったらしいのです.やがて,米の粉で作っていたお団子からもち米をついて「お餅」にしたようです.

2.次に「おいしい」これ重要!

3.保存がきく.ご飯は炊いてしまうと一日しか持ちませんが,お餅はカビにさえ気をつければ何年ももちます(薄く切ってかちんかちんにしたもの).普通の柔らかいお餅でも,煮たり焼いたり,あぶったりすればまた柔らかくなって,おいしく食べられます.

4. みんなで楽しくご飯を食べようという時に,お母さんが忙しくしていたら可哀相!.お餅は古代からのインスタント食品でもあり,ちょっと手を加えればおいしく食べられるファーストフードでもあったのです.しかも栄養満点.腹もちもいい!

5.そういう理由で,古くから収穫(しゅうかく=お米や野菜がとれること)のお祭りの時にお餅が食べられていました.

6.さらにそれ以外の大切な季節の行事(節句といいます)にも,さかんにお餅が食べられるようになってきたのです.他にどんなお餅があるかみんなで出しあってごらん.

※僕達が普通に食べるご飯は「うるち米」といい,粘り気のないアミロースと,粘り気のあるアミロペクチンを含んでいます.一方「もち米」はほとんどがアミロペクチンのためうるち米よりもねばりが強いのです.古代の人はそうした,もち米の性質をうまく利用して.おいしいお餅を作ってくれたのです.ゲンボー先生

ゲンボ−先生質問の答え、ありがとうございました。おかげで、おもちのことがよくわかりました。日新小学校5年1組2班


はじめまして。私達は、日新小学校の5年1組の3班です。わらについて調べていますので、次のことを教えて下さい。・なぜ、相撲の土俵や横づなのまわしは、わらでできているのですか?よろしくお願いします。

相撲は収穫(しゅうかく=お米や野菜がとれること)を喜び,神様に感謝(かんしゃ)して喜んでもらうために行われたのがはじまりです.土俵は神聖な場所で,まん中には「お酒」「五穀」(ごこく=お米,麦,アワ.キビ,豆)が埋めてあります.

お相撲さんが四股(しこ=足をあげて土俵の上でどすんどすんとやる)をふむのは,神様に対する礼なのです.土俵は神様のいる場所なのです.その神様の場所と人間の場所をわけるために俵が使われました.俵やワラはお米の収穫と関係がありますね.ですからワラで作った俵を使っているのです.

俵を細長い袋状にしてその中に土を入れて輪の形に埋め込みました.

もっとも相撲をやる上で,俵のほうが足をかけた時にふんばりがきいて面白いということもあります.あれがツルツルすべるようなものだったら,なんだか拍子(ひょうし)がぬけちゃうよね.

化粧まわしは麻ひもをよって作るのでワラは使いません.しかしその元になった「しめ縄」はワラで出来ています.しめ縄は神様の世界と人間の世界の境い目を表しています.神社に必ずしめ縄があるのはそのためです.また,神木(しんぼく)や神が宿るとされる石や岩にもしめ縄がはってありますね.

お相撲は神様に感謝する儀式ですから力士はしめ縄をはっているのです.

君たちもお正月のしめ縄を作るんでしょ?そのしめ縄はどこにはるのですか?

ゲンボー先生

ゲンボー先生、今日はありがとうございました。おかげで、相撲とわらの関係がわかりました。日新小学校5年1組3班

こんにちは。私たちは、毎年玄関や車にしめなわをつけています。今年は、私達もしめなわを作るので自分で作ったしめなわをお父さんか、お母さんの車につけるのが楽しみです。 5年1組1班より(11月29日)

しめなわを作りました。初めに、わらをもらいそれを半分にわけました。次にそれを二つとも時計まわりにねじります。ねじれたら、その二つを時計と反対の方向にねじり、かざりをつけてできあがりです。横からとびだしているわらは、ハサミで切りそろえました。
初めての経験だったので、とてもよかったです。家に持って帰り、みかんを付けてもらいました。お正月には、このしめなわをかざるつもりです。日新小学校5年1組 12月14日

皆さんが作った「しめ縄」です.上手に出来ましたね.自分で作ったしめ縄にはきっとご利益(ごりやく)があるでしょうね.ゲンボー先生


初めまして。私達は、日新小学校5年1組4班です。私達は今、農業体験について調べています。次のことを知りたいと思いますので教えてください。

自然塾のようなものは、ほかの場所にもありますか。よろしくお願いします。

これはお役所がやっているものから,会社でやっているところ,ボランティアでやっているところなど日本中にあります.特に地方では農業ばなれが進んでいるために町や村の役所が「親子体験農業塾」とか「自然体験合宿」などを盛んに行っています.また,国のお役所である農林水産省も積極的(せっきょくてき=すすんでやること)に「稲作」や「お米」の学習の援助(えんじょ)を行ったり,地方の農政局(のうせいきょく)をつうじて出張授業や,農業体験を進めています.

夏休みには,旅行会社やアウトドア関係のお店,出版社,それに市町村で様々な合宿やキャンプが行われています.どれも「自然の体験」から心や身体を強くする,とか農業や自然の大切さを学ばせるということが目的に行われています.

だいたい3〜4泊くらいするものが多いようで.自然の中で遊んだりゲームをしたり,お勉強をしたり,実際に農作業のお手伝いをしたりすることが多いようです.体験を通じて自然や農業の大切さも分かるし,新しい友達もできてとても好評です.

先生のいる川崎市にも夏になると「岩手県の農家に泊って農業をする」などということがおこなわれています.

実はゲンボー先生はボーイスカウトの隊長さんで,長い休みの時は必ず山の中でキャンプをします.色々なプログラムの中にはバードウオッチングやカヌー,登山もあります.カブという年令の低い子供達には「田植え」や「稲刈り」もさせています.

工業が発展して豊かになった日本ですが,一方で農業や自然の大切さを忘れかけているということもおきてきました.ですから,いろんなグループがそれぞれの立場で「自然教室」や「農業体験」を行うようになってきたのです.これからはもっとふえるでしょうね.ゲンボー先生

ゲンボー先生へお返事ありがとうございました。おかげで自然塾のことがよくわかりました。とてもわかりやすかったです。日新小学校5年生1組4班


初めまして。私たちは、日新小学校の5年1組の5はんです。次のことを知りたいので教えてください。

・米の新しい加工食品は、どのような物がありますか。

・米の加工食品は、どのような種類の米を使っているのですか?よろしくお願いします。

「ワイン風味の清酒」「フライドポテト様のあげ物」「早炊き玄米」「凍結・真空乾燥米飯(とうけつ・しんくうかんそうべいはん=フリーズドライのご飯)」「即席アルフア化米(すぐに粘り気がでるお米)」「玄米全粒粉(玄米をそのまま粉にしたもの)」「米あん(お米から作ったあんこ)「パン生地練り込み用の膨化した玄米(パン生地といっしょに練り込む玄米)「米入りウインナー(お米をつなぎにしたウィンナー)」「米エキスとピーナツの飲料(お米を発酵させてできた米エキスとピーナッツの練ったものをミックスした飲み物:胃にやさしくお肌にもよい・・とのこと)」「低アレルゲンごはん(お米アレルギーの人向けのごはん)」「冷凍米粉麺(お米の粉を混ぜた冷凍麺)」「発芽玄米入りペットフード(はつが玄米はミネラルが豊富,ワンちゃんも喜ぶ・・)「米発酵エキスを利用した洗浄剤(米エキスには油を溶かしたり汚れをとる性質があります.それを利用した洗剤)」「ミックス粉(揚げ物に使う小麦粉にお米の粉が入っている)」などがあります.

いろんなものがあるねえ!! おせんべいのようなものは 「うるち米」を使います.お酒もうるち米の大きな粒のも(大粒種=たいりゅうしゅを使います.)いっぱんに的にはうるち米が原料になることのほうが多いようです.ミソや醤油(しょうゆ),お酢.焼酎(しょうちゅう)もお米から作られるものが多いのですよ.しかし同じお菓子でも「おかき」はもち米です.また和菓子ももち米を使うことが多いようです.ゲンボー先生

日新小学校の5年1組の5班の皆さんこんにちは!私の知っている限りのお米の加工食品は、ケロッグコーンフレイクの「チョコクリスピー」駄菓子やによく売っている「にんじん」というお菓子もあります。玉川学園小学部5年柳組 遥 より

遥さん,ありがとう.お米から作られている食品の種類はけっこう多いのです.「にんじん」は先生も子供の頃によく食べました.(「にんじん」とはいいませんでしたが)今ではシリアルの中にも入っていますね.

日新小学校のお友達は調べて,どんなものを見つけましたか?ゲンボー先生

ゲンボー先生,今日は、メールのお返事ありがとうございました。ゲンボー先生のメールで、いろいろな種類の米の加工食品が、分かりました。日新小学校5年1組5班


初めまして。私たちは、日新小学校5年1組の1班です。次のことを知りたいと思いますので、教えて下さい。

・米と関係のある祭りが多い都道府県は、どこですか?また1番多い祭りは、何ですか?よろしくお願いします。

日本中にあります.夏の祭りは稲刈りという重労働の前におこなうものが多いようです.秋田の干灯(かんとう)を知っていますか.あのかたちは稲の穂をあらわしています.

秋の祭りはほとんど「収穫(しゅうかく=お米や野菜がとれること)を喜ぶ」お祭りなのです.日本には神様がたくさんいます「結婚の神様」「お金がもうかる神様」「子供がさずかる神様」「船の安全を守る神様」などなど数えあげたらきりがありません.でも全部に共通することが一つあります.それが「豊作にしてくれる神様」なのです.ほとんどすべての神社で豊作を祈っているといってもいいくらいです.

秋にあちこちの神社でお祭りがあるのはそういうわけなのです.

ですから一番多いお祭りは「収穫祭」です.しかし直接「収穫祭」とはよばずにその地方独特の名前がついています.※収穫祭は世界中にありますよ.

ではどの都道府県に多いかといわれると,君たちの住む西日本のほうが東北日本よりも多い,くらいしか分かりません.その理由は西日本のほうが農業がはやくから発達していたことと,人の数が多かったからなのです.もう一つ理由をあげるとすれば,京都にあった朝廷(ちょうてい=天皇を中心とした政府)の行事が貴族(きぞく=位の高い人)やその家来(けらい)達によって庶民(しょみん=普通の人)にはやくから広まったということもあります.

君たちの住む泉佐野市も歴史の古い町です.佐野川の近くには「ため池」もたくさんあるようです.きっと古くから人が住んでいてお祭りが受けつがれているはずですね.今度お祭りがあたったら,夜店ばかりに気をとられずに(笑)そのお祭りがなぜ行われたのか,いつから続いているのかを調べてご覧なさい.きっと面白いことがわかるはずです.ゲンボー先生

ゲンボー先生、今日は、「米と関係のある祭りが多い都道府県はどこですか?また、一番多い祭りは何ですか?」という質問にわかりやすく答えてくださり、ありがとうございました。とても参考になりました。どうもありがとうございました。 日新小学校5年1組1班

泉佐野では、7月の祭りは、漁師のお祭りで、ふとんだいこ(又は、たいこ台)と、みこしをかつぎます。漁に出て、事故なく大漁を祈ります。10月の秋祭りは、農家のお祭りで、だんじりをひいてお米や、作物の豊作を祈ります。 どちらも神社のお祭りです。

だんじりのルーツは、五穀豊じょうの獲物を綱をつかって、村まで運んだというものや、古代の運ぱん具の修羅で獲物をひいた、という説があります。 日新小学校5年1組1班(11月29日)


ゲンボー先生こんにちは!私はこの間もみがらをとって炊かずに食べてみました。口の中で少しなめていると柔らかくなりました。昔の人は、最初はどうやって食べたのでしょうか。御飯を炊くのはいつ頃からなのですか。

玉川学園小学部5年柳組  遥

お米を生で食べると消化が悪いのです.なぜなら,お米の外側にある「ぬか」のなかには人間が消化できないものが多く含まれているからです.ところが,煮炊きして熱を通すと消化されるようになります.だけど玄米のままだと味は良くありません.日本では弥生時代(2000年前)に「こしき」という土器が作られ(底に穴があいていて蒸気を通すようになっている)てこの時代にすでにお米を蒸して食べていたことが分かっています.蒸気を通すのは玄米だったからだと思われます.

それ以前もなんらかの方法で火を通しているはずですが,まだ良く分かっていません.誰か調べてみて下さい.

日本で白米を炊いて食べるようになったのは,平安時代の貴族からといわれています.いっぱんのしょ民は玄米を食べていたといわれています.しょ民が白米を食べるようになったのは江戸時代からといわれています.

お米博士 片岡(ゲンボー仙人)

日新小学校のお友達は作ったお米をどうやって食べましたか?これからかな?ゲンボー先生


日新小学校5年1組のみなさんこんにちは僕は、初めてバケツで稲を育てました。この写真は、稲が出来た写真です。出来上がった稲をもみがらして二つだけ洗ってそのまま食べました。(炊かないの)固い&味が無かったけれど、なめていたらやらかくなって味が出てきました。 5年柳組  裕介   

 

バケツで作った稲の全体写真です

 

穂先の部分です.ちゃんとできました!

 

農家がやるように結んでみました.

裕介君,よくできたね!バケツで稲を作ることはできるのですが管理がむずかしくて,途中でだめにしまうことが多いのです.普通の田んぼのように稲が育つ時には水をたくさんあげて,穂の中にお米ができてふくらんでいく時に少しずつ水を減らしていかないと,写真のようにはお米はできません.裕介君はなにに一番苦労しましたか?

日新小学校のお友達もお米を作ったと聞いています.君たちはどんな方法でお米を作りましたか?また,どんなことに苦労しましたか?玉川のお友達に教えてあげて下さい.ゲンボー先生

ゲンボー先生、裕介君へ

私達は、地域の人に教えてもらい学校の近くの田んぼでお米を作りました。作ったお米は家に持って帰りお祭りの日に食べました。

学校では、お米パ−ティ−をしてすい飯器でたいておにぎりにして食べました。何となくいつも食べているお米とは、ちがって、一つぶ一つぶ光っているように、感じました。

味も、甘くてもちっとしておいしかったです.食べているうちに、田植えのことや水の管理のことが頭の中にうかんできました。

田植えの時は、なれない手つきで1本1本ていねいに植えていきました。水の管理では、水が田んぼにどれくらいがちょうどいいかを先生に聞きながら取水口の板をさしたりぬいたりして調節しました。稲刈りでは、かまを使ってザックザックと切りました。 日新小学校5年1組4班(11月30日)

新しいお米はピカピカ光っていておいしかったでしょう.なにより「自分たち」で作ったお米だもん.どこのものよりもおいしかったのではないですか?
水の管理や田植えや稲刈り,それに田の草取りと,農家の人の大変さも分かって何よりでした.
君たちが,かまでザックザックと稲をかっている様や,ニコニコしながらピカピカご飯を食べている様子が見えるようで,先生までうれしくなってしまいました.ゲンボー先生


日新小学校のみなさん、こんにちは。コンピュータって、便利ですね。みなさんが抱 いたいろいろな疑問を、こうやっていろいろな人が答えてくれるのですから。私も、 会ったことのないみなさんの質問をよみながら、こんな子たちなんだろうなあ、なん て想像しています。コンピュータを使うことが目的ではありませんが、情報を集めたり、調べたことを表現するために効果的にコンピュータやネットワークが使えるので あれば、どんどん試してみるといいですね。これからのみなさんの学習の発展に期待 しています。玉川学園小学部 渡瀬(ゲンボーヤング)



学習を終えて

いただいたメールより

今,インターネットを通じて様々な情報が居ながらにして手に入れられるようになり,疑問点もすぐに調べられます。しかしながら,先生とのリアルタイムの授業は,教えていただける相手がはっきりしており,得た情報に温もりを感じることができました。子どもたちそれぞれが,お米のことに詳しいゲンボー先生を身近な存在に感じていましたし,質問に対する先生の答えがすぐにホームページにアップロードされるということは大変感動的なことでした。

 子どもたちのローマ字入力のスピードが遅くメールの作成に時間がかかる,メールが届くまでの時間をどううまく活用するか等の問題点は残りましたが,子どもたちにとっても私たちにとっても財産になる研究授業でした。

 参観に来られた先生方からも「自分自身が興奮した」「授業にわくわくしながら参加した」というような声がありました。

子ども達からは「すごく返事がくるのが早かった。」「送ったメールにすぐに返事が来たのが面白いし、楽しいし、うれしいし、くわしい説明でわかりやすかった。」

「早く答えが出てきたから、あきて、ひまになる時間がなくてよかった。」など、そのスピードに感動していた子どもたちが多かったです。

 「従来の枠組みから飛び出すことによって学習は大きな広がりを持つ」という玉川の全人教育研究所のねらいどおり,私達は1年間の総合的な学習「おこめ」を深まりと広がりを持たせて終えることができました。本当にありがとうございました。 日新小学校 大竹百合子 先生


君たちの質問

ゲンボー先生

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