玉川学園低学年  英語授業見学 1 

2008年秋学期の「児童英語コミュニケーション」では、前回の小川先生によるデモンストレーション授業と講義を受けた後、実際に玉川学園低学年の英語授業見学をさせていただきました。今回は、1クラスの1/2を小川先生、1/4をジュトー先生、1/4をモナ先生が担当して指導する少人数クラスを見学させていただきました。各クラス20分づつ見学させていただいた後、小川先生が質疑応答のお時間を割いてくださいました。低学年は、ちょうど期末テスト期間だったため、これまで見学してきた授業と少し違った雰囲気の中、どのようなテストをするのか、そのためにどのような準備をしているのかを見る良い機会となりました。

 

授業の内容


小川先生:
Hello song
で始まった後、子供達1人1人に、スポンジでできたABCのアルファベットが入っている封筒が配られます。子供達は、封筒の中の文字をまず触って、何の文字か考えます。その文字を当てられた人は、黒板のABC表のパズルにその文字をはめていきます(導入部分のアクティビティ)。シンプルなゲームですが、子供達は大興奮して楽しみながら、アルファベットの文字を触覚、視覚、聴覚、発話を通して、全身で学びます。

ジュトー先生:
子供達が交代で前に出て、自分がどんな人(職業)になりたいのかを当てるゲーム。前に出た子供は、”Are you a _______?”と質問を受け、それに対し、”Yes.”または”No.”で答えます。「なってみたい職業クイズ」の後は、出て来た職業の名前をプリントの絵と一致させました。

モナ先生:
テキストの復習をしました。じっくり、問題を解いていく授業でした。1人1人がどれだけ理解できているか、確認されていました。

 

まとめ

「遊び」のための「遊び」ではない。あくまでも「学び」のための「遊び」として位置づけている。1人1人を見取るために、1人づつ丁寧にチェックをしていきます。

文字導入は、あくまでも「てがかり」としての文字で、文字からの推測力推察力を高めていく。「話す・聞く」があくまでも中心で、「書く」は絵や写真と同じようにサポートとして使います。

話を「目で聞く」の大切さを教えます。

自分から発言できること、助け合えるアクティビティの仕掛けを考えています。

授業の始めと終わりを歌でしめることの意味は、児童・教師の気持ちの切り替え。また、環境づくり、ウォーミング・アップの役割を果たします。

低学年はアクティビティなどを中心に展開しますが、高学年になってくるとオーラルを重視していきます。

グループ分けは、ランダムに行うようにし、1つのグループに色々な子供が混じるようにします。そうすることで、お互いに協力する場面を作っていくことができます。

 

 

質疑応答

Q. 公立で英語教育を受けた児童と玉川学園で英語教育を受けた児童との学力差には、どのように対応されていますか?
 
A. 英語経験の差、英語力の差は歴然としてあります。その差を埋めていくことは簡単ではありませんが、水曜日の課外英語プログラムなどでサポートするシステムもあります。玉川に入って学ぶ子供達が、どの子も持っている力を発揮していけるように色々な工夫をしています。

 

 

Q. もしも、グループに入れない子供がいた場合などは、どうされますか?

 

A. はじめに、子供達に「グループに入れない子がいたら、やらない。」と、「共に学ぶ」ことが基本であることを厳しく明示しています。子供達もわかっているので、グループに入れない感じの子を見つけると、「○○ちゃん、こっち、こっち!」と呼ぶ姿が見られます。誰かが嫌な気持ちでいるような状況の時は、英語よりも、まずそういう生活指導が優先されます。英語授業であろうと、何の授業であろうと、人間教育が何よりも優先されます。

 

各授業を20分づつと駆け足で見学しましたが、どの授業も”share”することが基本にあることが伝わってきました。子供達の英語の発音の良さや反応の素早さに大学生達は驚いていましたが、ただ単に英語力を伸ばすことを目的にせず、人間教育がすべての学びの基本にあることが、玉川学園の授業の特徴の1つであることを感じました。

 

 

低学年の先生方、いつも気持ちよく見学させてくださり、ありがとうございました。