小学部の英語授業見学

玉川学園小学部の英語授業を、希望学生達(英語コミュニケーションを受講している学生)で3回に分けて15名(合計45名)の学生達が見学させていただきました。ゲスト・スピーカーとして来て下さったMatthew先生のクラス、駕谷先生、小川先生とDarren先生のTeam Teachingと色々な授業を見せていただきました。大学の英語授業では学べないことをたくさん吸収した見学となりました。

 

小学部の環境:

まず、大学生達が驚いたことは、木をふんだんに使っている校舎。高学年と低学年で校舎を右と左の2つに分け、高学年には高学年用の音楽室、低学年には低学年用の音楽室と2つずつあります。教室の窓からは、自然の光りが入り、窓の外には緑が広がっています。教卓も「子供の目線」に合うよう低く設計されています。各教室に必ずピアノが1台とコンピューターが1つはあります。また、隣合う2つのクラスが共同で使えるライブラリ−兼学習のコーナーがあり、学習が教室以外でも色々な形でできるようになっています。廊下には、子供達の眼につくように本が紹介紹介されていたり、自由に使えるコンピューターが何台も置いてあります。そして、飾られた子供達の作品や学習のまとめなどが、とてもカラフルな空間をつくり出していました。

小学部の英語授業:

英語の授業は、1年生、2年生は週1回、3〜6年生は週2回あります。国際交流の機会もたくさんあるので、小学部では英語が自然な形で導入されているようです。姉妹校を結んでいる学校も色々な国にありますが、アメリカ、カリフォルニア州サンノゼ市にあるハーカースクールという小学校とは、1994年に小学校レベルでは世界初のコンピュータネットワークとTV会議システムによる国際交流プログラムを開始しました。現在も、5年生から6年生にまたがる1年間の交流の間に環境問題などについて話し合い、お互いの学習をインターネットやTV会議を通して発表します。

このように、小学部での英語学習は子供達の共同研究や国際交流を進めていく上で必要なものとして、子供達は自然な形で学習をしているようです。英語授業は、外国人の先生がお一人でされる時、外国人の先生と日本人の先生がTeam Teachingをされる時、日本人の先生がお1人でされる時と、色々な形で英語授業が展開されています。それは、日本人の先生には日本人の先生の良さ、外国人の先生には外国人の先生の良さ、そして日本人の先生と外国人の先生がチームを組んで生まれる授業の良さ、とそれぞれの良いところを十分に活かしているからです。多くの学校では、外国人教師はALT (Assistant Language Teacher)として、部分的な発音や音読、あるいはゲームのところばかりを中心に動くことが多いようですが、玉川学園小学部にいらっしゃる3人の外国人の先生方は、外国語として教える英語(EFL---English as Foreign Language)、または第2言語として教える英語(ESL---English as Second Language)を大学院で専門的に学ばれてきているので、日本人の先生方と同じように1人の英語教育の専門家として授業をされています。Matthew先生のバックグラウンドについては前回の内容を読んでください。

小学部生の学習意欲:

大学生は、小学部生の積極的な授業参加に少し圧倒されていたようです。わかる時には元気よく手をあげ、外国人の先生が英語で進められている授業でもちゃんと指示どうりに動くことができていました。英語のカリキュラムは外国人の先生と日本人の先生が一緒につくられているので、外国人の先生の授業でもついていけるように日本人の先生の授業の時には日本語で勉強します。

時々、英語だけだとよくわからない様子の子供もいましたが、うまい具合にクラスメイトが「〜って言ってるんだよ!」とフォローを入れながら皆が授業を楽しんでいる様子でした。学生からも「英語がよくわからない子供は取り残されませんか?」という質問がいくつか出ましたが、外国人の先生の英語授業の時だけは、わからないお友達を助けてあげてもいいことになっているそうで、そうすることで子供達が協力して学ぶことにもなるのだそうです。また、英語の先生方の机は英語教室の中にある(つまり授業をしている先生は常に同僚の英語教師に授業を見られている)ので、もしも外国人の先生の説明がわからずに子供達が困っている時などには、日本人の先生がフォローを入れることもあるそうです。ただし、フォローを入れる時も必ずその授業をしている先生からお願いされた時だけとし、授業をする先生のやり方や考え方を尊重されているそうです。

今回の英語授業見学は、将来、幼稚園や小学校の先生を目指している皆さんにとって、色々な意味で学ぶことの多い時間となったと思います。これも、小学部の先生方がいつでも見学を快く受け入れてくださるからこそです。

小学部の先生方、本当に貴重な機会を設けてくださって本当にありがとうございました。また、今後ともよろしくご指導ください。