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カブトムシでつなぐ学びの輪

学内イベント

自然と多くの方々へ「ありがとう」の気持ちを込めて

2025年初夏、玉川学園のキャンパスで樹木の命をめぐる学びのリレーが生まれました。

Tamagawa Mokurin Project、教育学部・市川ゼミ、玉川学園K-12美術部ラボ、幼稚部・小学部の子どもたちがつながり、「木」と「虫」と「人」の物語が動き出したのです。

“特別な“止まり木

幼稚部年長児と小学部1年生(ES受講者)の児童が今年も教育学部・市川直子教授が開発した「カブトムシ飼育・観察ポッド」でカブトムシの飼育に挑戦しました。日々観察を続けたカブトムシが美しい成虫となったことに喜ぶ児童たちに贈られたのは、「“特別な”止まり木」でした。

「止まり木」は成虫になったカブトムシの転倒防止のほか、足場の安定を図り、カブトムシを長生きさせることができますが、 この「特別な止まり木」は、長年にわたり玉川っ子たちを見守り続けてきてくれた小学部のシンボルツリー「ヒマラヤスギ(三本杉)」から作られたものなのです。

小学部の「シンボルツリー」が姿を変える

2025年5月31日(1本目)と6月14日(2本目)に病気や倒木の危険性から伐採された、樹齢約80年の小学部の「ヒマラヤスギ(三本杉)」がこの度、「止まり木」に活用されました。市川教授の指導のもと適切なサイズに裁断、乾燥された後、K-12瀬底正宣先生と美術部ラボの生徒たちによってさらに加工され、完成しました。ヒマラヤスギの伐採には惜別の声も多く聞かれましたが、その命の記憶を「止まり木」として受け継ぎ、子どもたちに届けられたことは、木の成長、伐採、加工、活用というプロセスから「命を育むとはどういうことか」を言葉以上に深く理解するきっかけとなりました。

自然の尊重を感謝とともに

「止まり木」には、このようなメッセージカードが添えられました。

「小学部の大きな、大きな『ヒマラヤスギ』を思い出しながら、この『止まり木』を通して自然と多くの方々へ、ありがとうの気持ちをもってカブトムシを大切に育ててください。」

市川教授は、「この『止まり木』を通して自分の周りに対して感謝の気持ちをもってもらいたいと願っています。ヒマラヤスギはもちろん、ヒマラヤスギを管理してきてくださった方々、 『止まり木』を作るために様々な仕事をしてくださった方々。そして、この素晴らしい自然環境を今日まで守り、育てるために汗をかいてくださった先達を含めた多くの方々。偉大な自然とその命、多くの人々の想いを心に留めながら自然を尊重し、感謝の気持ちをもって、これからも豊かな緑溢れる玉川の丘とともに、私たちはありたいですね」と話します。

この「止まり木」の活動は玉川学園が掲げる「12の教育信条」のひとつ『自然の尊重』に基づくものです。Tamagawa Mokurin Projectは学園内の自然資源を活かし、自然を守り、活かし、つなぐ教育をこれからも実践していきます。