玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
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館蔵資料の紹介 2011年

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幼稚保育法見習規則

幼稚保育法見習規則

大阪府學務課
活版印刷・袋綴装
縦19.2×横13.2×厚0.1cm
明治12(1879)年5月


幼稚園が初めて東京に開設されて3年経った明治12年、鹿児島、大阪、仙台に相次いで幼稚園が開設された。大阪府では、まず明治11年に2名の女性小学校教員を、保姆(ほぼ)(当時の保育者の呼称)見習として東京女子師範学校附属幼稚園に派遣し、保育法を修得させた。2名が見習期間を終えて帰任すると、大阪府立模範幼稚園を開設した。同園は、その後の幼稚園の見本となるもので、幼児保育と同時に保育者養成も行った。

本資料は、ここに置かれた保育見習科に関する規則である。同科は、母親および乳母(うば)である女性に幼児保育術を修得させるためのもので、対象年齢18歳以上、修得期間は4カ月の通学制で、この課程を終えると仮証書が交付された。

本来は家庭での子育てのための保育見習講習であるが、仮証書を得た者は、幼稚園を開設することができた。幼稚園を各地に増やすには、保姆の養成と確保が不可欠であり、初期にはこうした制度で運用されていたのであろう。

「全人」2011年3月号(No.748)より

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