玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
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館蔵資料の紹介 2011年

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しん板(ぱん)幼稚園

しん板(ぱん)幼稚園

作者不詳
版元:長谷川園吉
木版色刷
36.0×23.7cm
明治27(1894)
鈴木三郎助氏寄贈資料


子どもを対象にした錦絵、いわゆる「おもちゃ絵」の中には、学校教育の場面、教科書、掛図、女礼式など教育に関わる絵が多くみられる。写真のおもちゃ絵も、教育をテーマとしたもので、幼稚園での学習風景を1枚にまとめている。

本作品は右上から左に向かって、「入門」「いとつなぎ」「あやがみ」をはじめ、「まめさし」「かみはり」「ぬいとり」「木つみ」「うたまい」「あみもの」など12図からなり、親に付き添われた入園から、幼稚園での遊戯や恩物(おんぶつ)を用いた学習などが描かれている。恩物とはフレーベルが考案した幼児用の教育遊具で、発達に応じて多様な素材、形態、使用方法があり、幼児たちの表現力、創造性、自発性を養うことを目指したものである。

明治期の一般的な錦絵には、文明開化の風景をテーマとしたものが多くみられる。しかし、おもちゃ絵の教育場面や教材教具などの題材は、単に文明開化というだけでなく、子どもたちにこれから進む学校に対する事前準備をさせる役割も果たしていた。

「全人」2011年2月号(No.747)より

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