玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

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館蔵資料の紹介 2013年

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天神像

天神像

幅33×奥行32×高65cm 
材質 木、漆
江戸期

天神とは神道や民間信仰における雷神のことを指すが、平安時代に菅原道真(845−903)が死後、天神様になったと伝承されたため、天神と道真とを同一視する信仰が生まれた。

道真は平安時代の貴族で、宇多天皇、醍醐天皇の治世に活躍した政治家である。しかし、中傷により太宰府(今の福岡県)へと左遷され、現地で没した。道真が学問に秀でていたことから、後に天神は“学問の神”として親しまれるようになった。

この天神像も道真をイメージしたもので、束帯を着て、手に笏(しゃく)をもった威厳のある道真が、台座のうえに姿勢正しく起立している。太刀を付けるときの帯である平緒(ひらお)の垂(たれ)には、道真のシンボルともいえる梅が刻まれている。

天神信仰は、江戸時代の庶民の教育とも関係が深い。江戸時代に描かれた寺子屋の絵をみると、床の間に天神様が掛けられていることが多い。これは道真を祭神として、学問の大成や書道の上達を祈ったからである。また、寺子屋で使用された机は天神机と呼ばれた。

「全人」2013年7/8月号(No.774)より

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