玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
全人掲載年

玉川大学教育博物館
〒194-8610
東京都町田市玉川学園6-1-1
Tel:042-739-8656
Fax:042-739-8654
mail:museum@tamagawa.ac.jp

館蔵資料の紹介 2016年

玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2016年 > 現代實業作法 學生用

現代實業作法 學生用

現代實業作法 學生用

甫守謹吾(ほもりきんご)著 東洋図書株式合資会社
縦22.4×横15.0cm 1932(昭和7)年

『現代實業作法』は1931(昭和6)年4月に制定された、文部省実業学校修身科の作法要項を採録した教科書である。多くの挿絵を用いながら、生活や仕事で大切とされる作法を分かりやすく解説しているため、読み物としても楽しめる。内容は姿勢、座り方、敬語、電話の応対や手紙の書き方、訪問、食事のマナー、公衆作法、皇室を敬う心得、国家に対する姿勢、外国人との交際など多岐にわたっている。

今回紹介する頁は外国人との交際について説明している。外国人には親切、丁寧に接するとともに我が国の国体、国風、国民性を理解させるように努めるべきだと説いている。右上の挿絵は外国人を玄関に訪問する様子を、左上の挿絵は国賓に対する花籠の捧げ方を表したものである。この2枚の挿絵からも、外国人に対する敬意が読みとれる。西洋の文化や習慣に関する記述も少なくなく、満州事変が起こった翌年に刊行された教科書でありながら、第一次世界大戦後の国際協調の時代の雰囲気を感じさせる。

「全人」2016年4月号(No.804)より

前の記事を見る  次の記事を見る

玉川大学教育博物館

このページの一番上に戻る