小学部英語授業見学3 ---英語でお買い物


May I help you?


Just a moment, please.


Thank you!

英語コミュニケーションを受講している学生達が、また玉川学園小学部の英語授業を見学させていただきました。詳しい、小学部の英語授業などについての内容は前回の報告(報告1報告2)を参考にしてください。ここでは、今回見学した授業の様子についてだけ報告します。

今回は、小川先生による3年生の授業です。挨拶から指示も全て英語で行われていますが、適時必要なところに日本語のサポートが入っていました。導入の15分間は、前回と同様にランダムな質問に子供達が積極的にどんどん答えていきます。うまく答えられない時は、周りのお友達が助けてくれます。協力しあうことも英語の授業では大切にされています。

 

お買い物:

今日の授業は、ハンバーガーショップでのお買い物ごっこです。ハンバーガーの袋やジュースやチキンナゲットの容器も子供達が持ってきたそうです。メニューもお金も子供達で作りました。子供達が「やりたい!」と気持ちを大切にしているから、子供達は授業が楽しくてしょうがないようです。先生にあてられると嬉しそうに答え、あたらないと本気でくやしがってました。

すでに買い物で使う表現などは「"いらっしゃいませ"って英語でなんて言うの?」「"売り切れちゃった"ってなんて言うの?」「"ちょっとお待ちください"ってなんて言うの?」などの子供達からの質問を通して学習したそうです。今回の授業では、もう一度復習から入りました。小川先生から、「お買い物する時どんな表現使ったかな?」という質問に、子供達の手がいくつも上がります。「いらっしゃいませ!」「いくらですか?」「ちょっとお待ち下さい。」と、次々に答えが出て来ます。それに対し、先生が「じゃあ"いらっしゃいませ"って英語でなんて言ったっけ?」とおっしゃると、すぐに"May I help you?"と返ってきます。「ちょっとお待ちくださいは?」には、いくつもの声で"Just a moment, please."と、反応がすぐに返ってきました。


お金の準備


開店の準備
 

総合的な学習:

次ぎは、自分達で前に準備したお金を使って、お金についての復習をします。ここから、算数の要素も入った総合的な活動になります。"What is this coin?"に子供達はすぐに"25 cents."と答えます。"Do you know the nickname of this coin?"という質問に対して「25セントのnick nameって、何って言ったっけ?」と日本語でさりげなく補助されます。難しい質問だと思っていましたが、数名の子供が手をあげ、"A quater!" と答えました。これには大学生達も顔をお互いに見合わせていました。「え、知らなかった」と言う学生もおりました。

「25セントが4枚で1ドルになったんだよね?」という先生の投げかけに、子供達は「25に4をかけると1ドルになるんだよね。」とあちらこちらで呟きます。それぞれの子供達が先生と1対1で話しているかのような光景でした。「分数はこれから習うことだけど、25セントは1ドルの4分の1なんですよ。」と算数でこれから学習する計算のお話も少し出て来ました。

一通り、お金の計算の復習が終ると、いよいよお店の開店です。グループごとに4つのお店を開きます。各グループの代表が問屋さんへ行って、食品を仕入れてきます。どこかのグループが買い占めしてしまうと他のお店がつぶれてしまうので、周りのお店にも配慮します。前にお店屋さんをした時には、買い占めや倒産がおきたことがあったので、今回はその経験を活かします。大学生のお兄さん、お姉さんも各お店屋さんに入ります。学生達も子供達の活発な英語活動に戸惑いながらも楽しそうに参加させていただいていたようです。

楽しい活動の後は、ゲームで盛り上がって終ります。1つの消しゴムを置き、先生に"Catch!"と言ったら取り、「先に取った方が勝ち」という単純なゲームですが、大学生も本気で勝った時に喜んでました。 


"Put your hands up!"


ゲームに勝って本気で喜んでる学生

 

小川先生への質問:

「どんな時に先生は幸せを感じられますか?」

小川先生は、「私は子供といる時が一番幸せです。」「授業で子供と一緒にいられること自体が幸せなんです。」とおっしゃりました。また、子供達がどんな時に授業で幸せを感じるかについても教えてくださいました。「子供達は、先生にあてられた時に『幸せ』って感じるんだそうです。だから私達は、子供達を授業であてる時にはとても気をつかいます。あてた生徒はチェックをし、あたってない子供を次には必ず当てるようにしてるんですよ。」と。実際に、子供達は先生にあててもらおうと声を出したり、手をうんと高くあげたり、色々な工夫をして先生の注意を引こうとし、あたらなかった子供は本気でくやしがってました。学生達も自分達には思いもつかなかった答えに感心をしていました。「小川先生のように英語を教えられるようになれたら...」とRole modelも見つけたようです。

 

「英語の授業ですが、算数の要素も入っていたような気がします。算数の要素も入れているんですか?」

総合的な学習として、英語の活動にも算数の要素も入ってきますし、色々な教材(今回はハンバーガーやチキンナゲット、ポテト、ジュースなど)を子供達が作ったり、準備することも子供達の学習となっているそうです。また、歌で始まり、歌で終る授業のスタイルは音楽の要素も入っていました(小学部では、これは英語の授業に限りません)。子供達からの自発的な学習を大切にされているので、先生から「これをしなさい。」ということは一切ないそうです。「私達は子供のために必要な環境を整えてあげるんです。」ということだそうです。学生達は、子供達が遊びの一部のようにして色々な単語や表現を身につけていること、それが自分の表現になっていることに感心するばかりでした。授業後に、落ちたものを拾ってくれた生徒の1人に"Thank you!"とお礼を言うと、"You're welcome."と自然に出て来たことに本当に感心してしまいました。授業中だけでなく、英語に対しては英語で答えられるように頭をスィッチできるようです。

いつも快く見学を歓迎してくださる小学部に感謝致します。