玉川大学 学士課程教育センター

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学士課程教育に関連した用語解説を掲載していきます。
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● アカデミック・アドバイザー制度
専任教員がアカデミック・アドバイザーとして学生一人一人を担当し、学生の成績(GPA)や 履修状況等を考慮しながら、履修相談や学生指導を行う制度。アカデミック・アドバイザーが入学時から卒業時まで継続的に指導する体制をとることで学生の修学指導に責任を持ち、また、きめ細やかな学生のサポートの実現が期待される。
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
● アクティブ・ラーニング
教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
● アセスメント・テスト(学修到達度調査)
学修成果の測定・把握の手段の一つ。ペーパーテスト等により学生の知識・能力等を測定する方法の総称で、標準化テストとも呼ばれる。米国等で導入されているCLA,ETSR Proficiency Profile,CAAP,ETSR Major Field Tests等がこれに当たる。
米国で導入されているアセスメント・テストは、一般に、大学内で抽出された低学年・高学年 双方の学生が受験し、その点数の推移等で大学の教育効果を把握する目的で導入されているものであり、学生個々人の能力を判定するものとは異なる。
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
● アセスメント・ポリシー
学生の学修成果の評価(アセスメント)について、その目的、達成すべき質的水準及び具体的実施方法などについて定めた学内の方針。英国では、高等教育質保証機構(QAA:Quality Assurance Agency for Higher Education)が中心となって質保証に関する規範(※)を策定し、各大学が満たすべきアセスメントの質的水準や手法などについて規定している。各大学では、これを踏まえて学内の方針を定めている。
※ 「英国高等教育のための質規範」(UK Quality Code for Higher Education)。2011年に同規範が策定される前は、「高等教育の質及び水準保証のための実施規範」(Code of practice for the assurance of academic quality and standards in higher education)が同様の役割を担っていた。
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
● アドミッション・オフィス入試(AO入試)
アドミッション・オフィス入試には法令上の定義はなく、その具体的な内容は各大学の創意工夫にゆだねられている。一般的に言えば、「アドミッション・オフィス入試」とは、アドミッション・オフィスなる機関が行う入試というよりは、学力検査に偏ることなく、詳細な書類審査と時間を掛けた丁寧な面接等を組み合わせることによって、受験生の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に判定しようとするきめ細かな選抜方法の一つとして受け止められている。
平成20年度大学入学者選抜実施要項では、「詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせることによって、入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に判定する方法」と記されている。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● アニュアル・レポート(年次報告書)
年次報告書ともいい、株式を上場・店頭公開している企業が事業年度終了後に作成する財務諸表等を記載した報告書。主に海外の株主・投資家や金融機関等取引先に向け、ディスクロージャー(情報公開)という観点から経営内容についての総合的な情報を掲載している。インターネットで閲覧できる企業も多い。
法律で定められた決算短信や有価証券報告書とは異なり、企業の個性が見えやすく、また長期投資で重要となる企業のビジョン、社風、経営者の考え方、戦略、社員の状況、顧客の満足度等、財務諸表には出てこない「見えない資産」を把握することができる。
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
● イノベーション
イノベーションとは、技術の革新にとどまらず、これまでとは全く違った新たな考え方、仕組みを取り入れて、新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすことである。
また、長期戦略指針「イノベーション25」(平成19年6月1日閣議決定)では、大学はイノベーションを先導する「知」の源泉であり、大学の本来の役割として、幅広い教養の厚みに裏打ちされた知性あふれる専門家・社会人の育成、独創的・先端的な研究の推進及び社会の発展への寄与が期待されており、これを十分に果たすことにより経済成長及びイノベーション創造に貢献することが重要であるとしている。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● インターンシップ
学生が在学中に、企業等において自らの専攻や将来希望する職業に関連した就業体験を行うこと。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
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● 学位
学位は、中世ヨーロッパにおける大学制度の発足当時から、大学がその教育の修了者に対し授与する大学の教授資格として発足し、国際的通用性のある大学教育修了者相当の能力証明として発展してきた。この歴史的経緯の中で、学位は学術の中心として自律的に高度の教育研究を行う大学が授与するという原則が国際的にも定着しており、逆に学位授与権は大学の本質的な機能と考えられてきた。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● 「学位授与の方針」、「教育課程編成・実施の方針」及び「入学者受入れ方針」
「入学者受入れ方針(アドミッション・ポリシー)」は、各大学・学部等が、その教育理念や特色等を踏まえ、どのような教育活動を行い、また、どのような能力や適性等を有する学生を求めているのかなどの考え方をまとめたものであり、入学者の選抜方法や入試問題の出題内容等にはこの方針が反映されている。また、この方針は受験者が自らにふさわしい大学を主体的に選択する際の参考ともなる。アメリカでは、高等学校の成績の点数、高等学校で履修しておくべき科目・内容、標準的な試験の点数等を具体的に示すことが一般的である。
入学者受入れの方針に加えて、将来像答申が新たに提唱したのが、「教育の実施や卒業認定・学位授与に関する基本的な方針(ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー)」である。将来像答申は、組織的な取組の強化が大きな課題となっている我が国の大学の現状を踏まえ、各機関の個性・特色の根幹をなすものとして、三つの方針の重要性を指摘するとともに、「早急に取り組むべき重点施策」の中で、三つの方針の明確化を支援する必要性を強調している。
さらに、学士課程答申では、学士課程教育の改革の実行に当たり、各大学が、教学経営において、「学位授与の方針」、「教育課程編成・実施の方針」、及び「入学者受入れの方針」の三つの方針を明確に示すことが最も重要であるとし、将来像答申で言及した「ディプロマ・ポリシー」、「カリキュラム・ポリシー」、「アドミッション・ポリシー」のそれぞれに対応するとした。また、これらの方針において、大学の個性・特色は具体的に反映されるものであるとしている。
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
● 学士と学士課程教育
従来、学士課程教育は、一般的に「学部教育」などといった「組織」に着目した呼び方がなされていた。
しかし、知識基盤社会においては、新たな知の創造と活用を通じ、我が国社会や人類の将来の発展に貢献する人材を育成することが必要であり、そのためには、「○○学部所属」ではなく、国際的通用性のある大学教育の課程の修了に関わる知識・能力を習得したことが重要な意味を帯びる。学位は、そのような知識・能力の証明として、大学が授与するものであることが、国際的にも共通理解になっており、その学位を与える課程(プログラム)に着目して整理し直したものが、学士課程教育である。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● 学修行動調査
学生の行動や満足度に関するアンケートを基本とした調査。複数大学の学生を対象に共通の質問項目で調査を実施することにより、学部間・大学間の状況比較や、学年進行に伴う変化の把握、学内の他のデータ(成績等)と組み合わせて各種の分析に役立てるために開発されたものである。米国で広範に導入されているN S S E , C I R P 等がこれに当たる。
米国ではフルタイム・パートタイムの別、幅広な年齢層、4,600以上の高等教育機関それぞれの目的・性格の違い等を考慮し、「学生の行動にどのような変容を及ぼしたか」という観点での行動調査が行われるようになった。
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
● 学習成果(ラーニング・アウトカム)
「学習成果」は、プログラムやコースなど、一定の学習期間終了時に、学習者が知り、理解し、行い、実演できることを期待される内容を言明したもの。「学習成果」は、多くの場合、学習者が獲得すべき知識、スキル、態度などとして示される。またそれぞれの学習成果は、具体的で、一定の期間内で達成可能であり、学習者にとって意味のある内容で、測定や評価が可能なものでなければならない。学習成果を中心にして教育プログラムを構築することにより、次のような効果が期待される。
  • 従来の教員中心のアプローチから、学生(学習者)中心のアプローチへと転換できること。
  • 学生にとっては、到達目標が明確で学習への動機付けが高まること。
  • プログラムレベルでの学習成果の達成には、カリキュラム・マップの作成が不可欠となり、そのため、教員同士のコミュニケーションと教育への組織的取組が促進されること。
  • 「学習成果」の評価(アセスメント)と結果の公表を通じて、大学のアカウンタビリティが高まること。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● 学修ポートフォリオ
学生が、学修過程ならびに各種の学修成果(例えば、学修目標・学修計画表とチェックシート、課題達成のために収集した資料や遂行状況、レポート、成績単位取得表など) を長期にわたって収集し、記録したもの。それらを必要に応じて系統的に選択し、学修過程を含めて到達度を評価し、次に取り組むべき課題をみつけてステップアップを図るという、学生自身の自己省察を可能とすることにより、自律的な学修をより深化させることを目的とする。従来の到達度評価では測定できない個人能力の質的評価を行うことが意図されているとともに、教員や大学が、組織としての教育の成果を評価する場合にも利用される。
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
● クリッカー
学生一人一人が手のひらサイズのリモコンを持ち、講義中に出される質問に対してリモコンの番号を押して回答するシステムで、学生の回答は瞬時に集計され、結果がグラフ等でスクリーンに映し出される。講義者と学修者の双方向コミュニケーションを可能にするツールの一つであり、学生の集中力を保つとともに、学生の理解度をその場で把握して授業に反映することができ、授業の質を高めるうえで効果的な方法の一つとされている。
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
● コア・カリキュラム
大学や学部単位において、習得すべき知識、技能、態度等を明確にし、到達目標やそのために必要な授業単位数を定めたもの。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
 
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● サービス・ラーニング
教育活動の一環として、一定の期間、地域のニーズ等を踏まえた社会奉仕活動を体験することによって、それまで知識として学んできたことを実際のサービス体験に活かし、また実際のサービス体験から自分の学問的取組や進路について新たな視野を得る教育プログラム。
サービス・ラーニングの導入は、(1)専門教育を通して獲得した専門的な知識・技能の現実社会で実際に活用できる知識・技能への変化、(2)将来の職業について考える機会の付与、(3)自らの社会的役割を意識することによる、市民として必要な資質・能力の向上、などの効果が期待できる。
(詳細:http://www.human.tsukuba.ac.jp/gakugun/k-pro/aboutSL/aboutSL.html
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
● 実務家教員
専任教員のうち、専攻分野における実務の経験及び高度の実務を有する教員。専門職大学院については、その特性から「専門職大学院に関し必要な事項について定める件(平成15年3月31日文部科学省告示第53号)」において、必置とされる専任教員のには「専攻分野におけるおおむね5年以上の実務の経験を有し、かつ、高度の実務の能力を有する者」を一定割合以上含めることが義務付けられている。主な例として、法科大学院においては法曹としての実務の経験を有する者、教職大学院においては小学校等の教員としての実務の経験を有する者が挙げられる。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● GP事業
「GP」とは、大学教育改革の「優れた取組」という意味で国際的にも広く使われている「Good Practice」の略称。GP事業とは、各大学が自らの大学教育に工夫を凝らした優れた取組で他の大学でも参考となるようなものを公募により選定する文部科学省の事業の通称。「特色ある大学教育支援プログラム」(特色GP)と「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」(現代GP)等がある(平成20年度からは、特色GP及び現代GPを統合した「質の高い大学教育推進プログラム」として実施。(1)国公私立を通じた競争的環境の下で、(2)第三者による公正な審査により選定し、(3)取組の内容を社会に広く情報提供するという3つの特徴がある。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● 授業計画(シラバス)
各授業科目の詳細な授業計画。一般に、大学の授業名、担当教員名、講義目的、各回ごとの授業内容、成績評価方法・基準、準備学修等についての具体的な指示、教科書・参考文献、履修条件等が記されており、学生が各授業科目の準備学修等を進めるための基本となるもの。また、学生が講義の履修を決める際の資料になるとともに、教員相互の授業内容の調整、学生による授業評価等にも使われる。アメリカでは、教員と学生の契約書と理解されている例もある。
授業内容の概要を総覧する資料(いわゆるコース・カタログ)とは異なり、科目の到達目標や学生の学修内容、準備学修の内容、成績評価の方法・基準の明示が求められる。
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
● 主専攻・副専攻制
主専攻分野以外の分野の授業科目を体系的に履修させる取組であって、学内で規定が整備されている等、組織的に行われているものをいう。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● 初年次教育
高等学校から大学への円滑な移行を図り,大学での学問的・社会的な諸経験を“成功”させるべく,主として大学新入生を対象に作られた総合的教育プログラム。高等学校までに習得しておくべき基礎学力の補完を目的とする補習教育とは異なり,新入生に最初に提供されることが強く意識されたもので,1970年代にアメリカで始められ,国際的には「First Year Experience(初年次体験)」と呼ばれている。具体的内容としては,(大学における学習スキルも含めた)学問的・知的能力の発達,人間関係の確立と維持,アイデンティティの発達,キャリアと人生設計,肉体的・精神的健康の保持,人生観の確立など,大学における教育上の目標と学生の個人的目標の両者の実現を目指したものになっている。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● スタッフ・ディベロップメント(SD)
事務職員や技術職員など職員を対象とした、管理運営や教育・研究支援までを含めた資質向上のための組織的な取組を指す。「スタッフ」に教員を含み、FDを包含する意味としてSDを用いる場合(イギリスの例)もあるが、ここではFDと区別し、職員の職能開発の活動に限定してSDの語を用いている。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● セメスター制
1学年複数学期制の授業形態。日本で多く見られる通年制(一つの授業を1年間通して実施)の前・後期などとは異なり、一つの授業を学期(セメスター)毎に完結させる制度。諸外国では一般的であり、個々の学期が15週程度で2学期制の伝統的セメスター制度(traditional semester system)のほか、初期セメスター制度(一方のセメスターが若干長い:early semester system)、3学期制(trimester system)、4学期制(quarter system)などを実施する大学もある。日本においても一部の大学・学部で導入されている。
セメスター制は、1学期の中で少数の科目を集中的に履修し、学習効果を高めることに意義があるので、単に通年制の授業の内容が過密にならないような配慮も必要である。
さらにセメスター制には、学年開始時期が異なる大学間において円滑に転入学を実施できるというメリットがある。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
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● 大学間の連携
設置形態の枠組みを超えた高等教育機関間(地域を含む)の連携協力による教育・研究・社会貢献機能の充実・強化を行う取組を指す。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● 大学設置基準の大綱化
個々の大学がそれぞれの理念・目的に基づき、自由かつ多様な形態で教育を実施し得るようにするため、平成3年7月に大学設置基準等を改正し、規制を大幅に緩和したこと。
具体的には、一般教育科目、専門教育科目等の科目区分の廃止、教員数の制限の緩和、学生数の弾力化など。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● 大学全入
大学の入学受入規模が、入学志願者数とほぼ一致し、大学教育への需要が概ね充足された状態をいう。すなわち、入学志願者が、進学先の大学を選ばなければ、理論上、いずれかの大学に入学し得る状態である。
なお、将来像答申では、大学・短期大学の志願者数と入学者数、収容力(答申では入学者数/志願者数として定義)等の推計を行い、平成19(2007)年度に収容力が100%に達するとした。こうした推計方法を踏まえて、収容力が100%に達した状態を「大学全入」と呼ぶ場合もある。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● 大学ポートレート(仮称)
「大学における教育情報の活用・公表に関する中間まとめ」(平成23年8月5日)において、大学の教育情報の活用・公表のための共通的な仕組みとして整備することが提起された。平成24年2月、「大学ポートレート(仮称)準備委員会」が発足し、大学団体が連携し、高校や産業界の意見も反映して整備を進めることとしている。
大学ポートレート(仮称)の整備により、(1)大学が教育情報を用いて自らの活動状況を把握・分析し、改革につなげる(いわゆるIR(Institutional Research) 機能の向上)、(2)各大学の多様な教育活動を国内外に分かりやすく発信、(3)各大学の業務負担軽減(基礎的な情報を共通に公表することで大学の個別問合せへの対応を軽減)、などの効果が見込まれている。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/44/toushin/1310842.htm
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
● 単位制度の実質化
現在の我が国の大学制度は単位制度を基本としており、1単位は、教室等での授業時間と準備学習や復習の時間を合わせて標準45時間の学修を要する教育内容をもって構成されている。しかし、実際には、授業時間以外の学習時間が大学によって様々であるとの指摘や1回あたりの授業内容の密度が大学の授業としては薄いものもあるのではないかとの懸念がある。このような実態を改善するための種々の取組を総称して単位制度の実質化のための取組ということがある。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● 知識基盤社会
英語のknowledge-based societyに相当する語。論者によって定義付けは異なるが、一般的に、知識が社会・経済の発展を駆動する基本的な要素となる社会を指す。類義語として、知識社会、知識重視社会、知識主導型社会等がある。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● 中等後教育総合データシステム
米国のNCES(National Center for Education System)が運用する、全米の高等教育機関をデータ収集の対象とした包括的なデータベースシステム(http://www.nces.ed.gov/ipeds)。略称はIPEDS(Integrated Postsecondary Education Data System)。
これには全米の各高等教育機関ごとに学生の入学、卒業や財務、職員給与などさまざまなデータが収集・集積され、またインターネットを介してデータの取得や分析ツールの利用が可能なため、国、州、各高等教育機関レベルでの高等教育の状況を把握するために活用することができる。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● ティーチング・アシスタント(TA)
優秀な大学院生に対し、教育的配慮の下に、学部学生等に対する助言や実施・実習等の教育補助業務を行わせ、大学院生の教育トレーニングの機会を提供するとともに、これに対する手当を支給し、大学院生の処遇改善の一助とすることを目的としたもの。我が国のTAの数は8万人(平成21(2009)年度の文部科学省調査)であるが、その内訳を見ると、実験・実習等、自然科学系での活用が中心になっているなどの傾向がある。また、大学院でなく、学士課程の学生を教育の補助業務に携わらせる場合、TAとは区別してスチューデント・アシスタント(SA)と称することが多い(p73参照)。
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
● ティーチング・ポートフォリオ
大学等の教員が自分の授業や指導において投じた教育努力の少なくとも一部を、目に見える形で自分及び第三者に伝えるために効率的・効果的に記録に残そうとする「教育業績ファイル」、もしくはそれを作成するにおいての技術や概念及び、場合によっては運動を意味している。ティーチング・ポートフォリオの導入により、@将来の授業の向上と改善、A証拠の提示による教育活動の正当な評価、B優れた熱心な指導の共有などの効果が認められる。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● ディグリー・ミル
正規の大学等として認められていないにもかかわらず、学位授与を標榜し、真正な学位と紛らわしい呼称を供与する者のこと(直訳すると「学位工場」)。世界的に、厳密な学問的定義や法的概念があるものではない。従来は、アメリカ等においてのみ問題とされていたが、インターネット等の普及により被害が国際的問題になりつつある。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
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● ナンバリング
ナンバリング、あるいはコース・ナンバリング。授業科目に適切な番号を付し分類することで、学修の段階や順序等を表し、教育課程の体系性を明示する仕組み。(1)大学内における授業科目の分類、(2)複数大学間での授業科目の共通分類という二つの意味を持つ。
対象とするレベル(学年等)や学問の分類を示すことは、学生が適切な授業科目を選択する助けとなる。また、科目同士の整理・統合と連携により教員が個々の科目の充実に注力できるといった効果も期待できる。
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
● 内部質保証
高等教育機関が、自らの責任で自学の諸活動について点検・評価を行い、その結果をもとに改革・改善に努め、これによって、その質を自ら保証することを指す。
(出典:大学評価・学位授与機構「高等教育に関する質保証関係用語集(第3版)」)
http://www.niad.ac.jp/n_shuppan/package/no9_21_niadue_glossary3_2011_v2.pdf
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
● 入試方法の多様化、評価尺度の多元化
大学入学者選抜実施要項において、大学入学者の選抜に際しては、各大学・学部の教育理念、教育内容等に応じた入学者受入れ方針に基づき、受験生の能力・適性等を多面的に判定できるよう、「選抜方法の多様化、評価尺度の多元化」に務めるよう定めている
「入試方法の多様化」としては、従来から行われてきたペーパーテストによる学力検査を中心とする方法のみでなく、その他の様々な方法を導入することを指す。具体的には、高等学校長等の推薦に基づく選抜やアドミッション・オフィス入試、専門高校・総合学科卒業生、帰国子女、社会人などを対象とした選抜など。
「評価尺度の多元化」としては、学力のみを測るのではなく、それ以外の様々な面(意欲・関心・適性等)を評価することを目指した改善を指す。具体的には学力検査の他、調査書の内容、小論文、面接、リスニング、実技、ボランティア活動等の評価方法や配点の工夫など、様々な尺度を適切に組み合わせて行うこと。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
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● ファカルティ・ディベロップメント(FD)
教員が授業内容・方法を改善し向上させるための組織的な取組の総称。具体的な例としては、教員相互の授業参観の実施、授業方法についての研究会の開催、新任教員のための研修会の開催等を挙げることができる。なお、大学設置基準等においては、こうした意味でのFDの実施を各大学に求めているが、単に授業内容・方法の改善のための研修に限らず、広く教育の改善、更には研究活動、社会貢献、管理運営に関わる教員団の職能開発の活動全般を指すものとしてFDの語を用いる場合もある。
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
● 補習教育(リメディアル教育)
大学教育を受ける前提となる基礎的な知識等についての教育をいう。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
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● ユニバーサル段階
アメリカの社会学者マーチン・トロウは、高等教育への進学率が15%を超えると高等教育はエリート段階からマス段階へ移行するとし、さらに、進学率が50%を超える高等教育をユニバーサル段階と呼んでいる。「ユニバーサル」というのは、一般に「普遍的な」と訳されるが、トロウによると、「ユニバーサル・アクセス」というのは、誰もが進学する「機会」を保障されているという学習機会に着目した概念である。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
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● ライティングセンター
大学での学習において必要となる論文やレポート等の作成に関わる支援や指導を行うことを通して、文章表現の技能のみならず分析的理解や論理的思考能力を高めることを目的とした学習支援センターのこと。アメリカでは主要大学のほとんどにライティングセンターがある。我が国では、英語によるライティングを中心とした学習支援を行うものと、日本語による文章や論文の作成を支援・指導するものがある。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● 履修系統図
学生に身につけさせる知識・能力と授業科目との間の対応関係を示し、体系的な履修を促す体系図、カリキュラムマップ、カリキュラムチャート等。
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
● リベラル・アーツ
リベラル・アーツの起源は、古代ローマにおける自由(liberal)市民に必要な学芸(arts)としての言語と数学系の諸科にあり、生産階級である奴隷(servile)の技芸(arts)に対していった。それは、中世のヨーロッパ大学において、文法・修辞・論理の言語系3学(trivium)と算術・幾何・天文・音楽の数学系4学(quadrivium)の7自由学芸として哲学(学芸)部に定着し、特定の職業からの拘束を受ける神・法・医の専門職学部の諸学芸に対して自由な学芸とされ、また一方でそれらの教育のための基礎学芸と位置づけられた。
近代のそれはアメリカの大学で確立した概念で、自由人に相応しい、特定の職業のためではない、一般的な知力を開発する学芸を意味し、言語・数学系の諸科と人文科学、社会科学、自然科学の諸学芸を指す。これらの諸科は学芸(文芸)科学学部(faculty of arts (letter) and sciences)等を構成し、古典的な神・法・医及び近代的な工、農、経営、教育等の専門職学部(professional schools)における職業系諸科に対する。一部に、近代科学とその生み出す技術(science and technology)の知を別種のものとみて、それらを除いた緒科をリベラル・アーツとみる向きもある。
なお、リベラル・アーツは教養と訳されるが、教養の英訳がカルチャーつまり文化一般であるのに対して、リベラル・アーツはディシプリン(方法)を持った緒科目であり、リベラルアーツ・カレッジにおいても、一般教育に加えリベラル・アーツ分野の専攻の学習が課されるのが通常である。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● ルーブリック
米国で開発された学修評価の基準の作成方法であり、評価水準である「尺度」と、尺度を満たした場合の「特徴の記述」で構成される。記述により達成水準等が明確化されることにより、他の手段では困難な、パフォーマンス等の定性的な評価に向くとされ、評価者・被評価者の認識の共有、複数の評価者による評価の標準化等のメリットがある。
コースや授業科目、課題(レポート)などの単位で設定することができる。
国内においても、個別の授業科目における成績評価等で活用されているが、それに留まらず組織や機関のパフォーマンスを評価する手段とすることもでき、米国AAC&U(Association of American Colleges & Universities)では複数機関間で共通に活用することが可能な指標の開発が進められている。
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
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● ワーク・スタディ
学生が、大学の内外においてパートタイムの仕事に従事して必要な学費等をまかないながら学修を行うこと。米国では連邦政府が、ワーク・スタディ支援のための補助金事業、FWS(Federal Work-Study)プログラムを実施している。学生は大学や地方自治体、NPOなどで公共的な仕事に従事し、雇用者は学生に支払う労働報酬の半分以上について連邦政府からの補助を受けることができる。週当たりの就労時間には上限が設けられており、雇用者は、学生の授業スケジュールと学修状況を考慮して仕事を課さねばならないこととされている。FWSプログラムには約3400の高等教育機関が参加しており、予算規模は約12億ドル(2011会計年度)。
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
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● CAP制
単位の過剰登録を防ぐため、1年間あるいは1学期間に履修登録できる単位の上限を設ける制度。
我が国の大学制度は単位制度を基本としているが、大学設置基準上1単位は、教員が教室等で授業を行う時間に加え、学生が予習や復習など教室外において学修する時間の合計で、標準45時間の学修を要する教育内容をもって構成されている。また、これを基礎とし、授業期間は1学年間におよそ年30週、1学年間で約30単位を修得することが標準とされ、したがって大学の卒業要件は4年間にわたって124単位を修得することを基本として制度設計されている。
しかしながら、学期末の試験結果のみで単位認定が行われるなどの理由から、学生が過剰な単位登録をして、3年で安易に124近くの単位を修得し、結果として45時間相当に満たない学修量で単位が認定されているという現象が生じたことから、平成11年に、大学設置基準第27条の2第1項として、「大学は、学生が各年次にわたって適切に授業科目を履修するため、卒業の要件として学生が修得すべき単位数について、学生が1年間又は1学期に履修科目として登録することができる単位数の上限を定めるよう努めなければならない」と規定された。
(中央教育審議会 「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて(答申)」用語集)
● GPA(Grade Point Average)
アメリカにおいて一般的に行われている学生の成績評価方法の一種。一般的な取扱いの例は次のとおりである。
  • 学生の評価方法として、授業科目ごとの成績評価を5段階(A,B,C,D,F)で評価し、それぞれに対して4・3・2・1・0のグレードポイントを付与し、この単位当たり平均(GPA、グレード・ポイント・アベレージ)を出す。
  • 単位修得はDでも可能であるが、卒業のためには通算のGPAが2.0以上であることが必要とされる。
  • 3セメスター(1年半)連続してGPAが2.0未満の学生に対しては、退学勧告がなされる。 (但し、これは突然退学勧告がなされるわけではなく、学部長等から学習指導・生活指導等を行い、それでも学力不振が続いた場合に退学勧告となる。)
なお、このような取扱いは、1セメスター(半年)に最低12単位、最高18単位の標準的な履修を課した上で成績評価し、行われるのが一般的である。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
● LMS(Learning Management System)
eラーニングの学習管理システム。学習者等の登録、学習履歴の管理、学習の進捗管理(成績等)などの基本機能の他、掲示板等のコミュニケーションツールなどの機能を有する。
(メディア教育開発センター2006年度要覧 NIME-gladキーワードより)
● PGCHE(Postgraduate Certificate in Higher Education)
PGCHE(Postgraduate Certificate in Higher Education)=高等教育資格課程。
イギリスの大学において、新任教員等を対象に、大学教育を担当する専門家としての基礎的な能力の育成を目指して提供されるプログラム。その呼称は個々の大学によって異なるが、プログラムは、公的な設計基準(The UK Professional Standards Framework for Teaching and Supporting Learning in Higher Education:高等教育における教授及び学習支援の専門性基準枠組み)に準拠し、当該大学の教育目的等を踏まえた内容によって構成されている。プログラムでは、学習理論、授業科目の開発・計画、授業の方法、成績評価などに関し、講義やワークショップなどを通じて学習する。通常、2〜3年にわたり、修士レベルの60クレジット(1クレジットは10時間の学修量)を取得することが、正規教員の任用条件として位置づけられる。
なお、「高等教育における教授及び学習支援の専門性基準枠組み」は、2003年の「高等教育白書」で提言され、その後、FD推進のナショナルセンターである「高等教育アカデミー(HEA)」が中心となって、2006年に策定された。その中では、大学教員の専門性として、6つの活動領域、6つのコア知識や理解内容、5つの価値観が掲げられている。
(中央教育審議会 「学士課程教育の構築に向けて(答申)」 用語解説)
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