アジア養蜂研究協会(AAA)
はアジア地域のミツバチとその養蜂に関心を持つ,各国のミツバチ研究者や養蜂家,開発事業関係者などのネットワークとして,1992年に設立されました.玉川大学ミツバチ科学研究施設が事務局を担当しています.
目的:
アジア地域のミツバチ科学と養蜂にかかわる新しい研究成果や一般的な知識が,必要とされている現場で有効に活用されるように,科学者-養蜂家間の情報交換を促進することがAAA設立の目的です.
AAAは小規模な集まりですが,アジア各国から関係者が一堂に会して知恵を集め,情報を交換する場を設けることにより,アジアに生息する多様なミツバチ種に関する生物学とミツバチ飼養管理技術の研究促進を図ります.
アジアのミツバチ:
アジア地域には世界でもっとも多様なミツバチ種が生息しています.近年の遺伝学,分子生物学の進歩によって,新種と認められたミツバチが増え,現在は次の8種が在来種として確認されています.→絵はがきAsian
Honeybees
トウヨウミツバチ Apis cerana
Fabr.
サバミツバチ A. koschevnikovi Buttel-Reepen
キナバルヤマミツバチ A. nuluensis
Tingek, Koeniger and Koeniger
クロオビミツバチ A. nigrocincta Smith
オオミツバチ
A. dorsata Fabr.
ヒマラヤオオミツバチ A. laboriosa Smith
コミツバチ
A. florea Fabr
クロコミツバチ A. andreniformis Smith
ミツバチ種の保全と利用:
世界でミツバチとその養蜂に対して認識がたかまり,ミツバチ種の保全と積極的利用への追い風となっています.多くの顕花植物の効果的な送粉昆虫として,地球環境システムを保つ役割など,ミツバチが担っている経済効果は大きいのです.アジアに在来分布するミツバチ種と,一部の地域では導入種であるセイヨウミツバチをもちいた,養蜂管理技術の
向上や,養蜂を取り入れた村落開発振興を,持続可能な農業と生物多様性の保全のために,促進することが期待されます.
AAA大会の開催:
アジア養蜂研究協会の大会はアジアの各国で1年おきに開催されています.研究発表の他に,現地の実情に即したワークショップ,養蜂の現場を訪れる見学旅行,それに展示会アピエクスポも開かれます.現在まで,計
8回(第1回タイ・バンコク;第2回インドネシア・ジョグジャカルタ;第3回ベトナム・ハノイ; 第4回ネパール・カトマンドゥ;
第5回タイ・チェンマイ;第6回インド・バンガロール;第7回フィリピン・ロスバニョス;第8回オーストラリア・パース)開催しました.大会の様子をAAA大会で紹介しています.
会議録は,第1回,第3回,第4回,第5回,第7回が刊行済みです.
→AAA大会について
関連書籍の斡旋販売:
玉川大学ミツバチ科学研究施設スタッフおよび「ミツバチ科学」寄稿者の著作を中心にミツバチ,スズメバチ,養蜂関連の書籍,ミツバチの絵はがきなどを斡旋販売しています.AAA大会の論文集をはじめ海外の関係書籍も紹介.
→書籍販売へ