研究のキーワード
知能情報学
神経科学一般
ダイナミックス
人工知能
認知科学
脳波

知能は複雑な脳の情報処理により実現されています。脳の情報処理とは、毎回同じ処理が実行されるコンピュータのようなシステムとは違い、その人の感情や注意といった私たちの心的状態によっても情報処理のされ方が変化します。このようなメカニズムは脳をより柔軟に機能させるために必要な仕組みだと考えられています。私たちの研究室では、脳の情報処理と心的状態の関係の解明と、柔軟な脳機能の工学的な応用を目指しています。この解明に向けて生理実験や脳波といった生理学的手法と、モデルシミュレーションや人工知能などの工学的な手法を組み合わせて多面的な研究を行っています。

生理実験と脳波を用いた研究

脳の神経細胞を直接計測したり、人を対象とした研究の際には脳波計測により応答を記録したりします。

  • 海馬神経細胞における情報処理過程の研究
    海馬は記憶を形成するために必要となる領域です。この領域ではシナプス可塑性や情報の統合など様々な情報処理が行われています。ここでは脳の基本的な情報処理メカニズムについて研究します。
  • 人の認知過程において、注意を向けることによる脳内情報処理の変化の研究
    生物は注意を向けることによって必要な情報と不必要な情報を選別しています。このような認知過程において脳内の情報処理がどのように変化しているのか研究します。

モデルシミュレーションと人工知能を用いた研究

計測したデータをもとに神経細胞のコンピュータモデルの構築と、シミュレーションを行います。また神経細胞の応答について人工知能を用いて解析する研究を行います。

  • モデルシミュレーションによる情報統合のメカニズムの解明
    神経細胞は情報を活動パターンとして表現しています。様々な外界からの情報が神経細胞においてどのように統合されていくのか数理的に検証します。
  • 人工知能を用いたデータ解析
    人工知能は優れたパターン識別をすることができます。人がデータを見るだけでは分からなかった現象でも、人工知能を用いた解析により発見できる可能性があります。ここでは人工知能を用いた新しい解析手法について研究します。