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臨床心理学ゼミ:震災遺構・石巻市立大川小学校を見学しました。

2023.09.21

8月24日のゼミ合宿3日目に震災遺構・石巻市立大川小学校を見学しました。
昨年度の原田ゼミでの特別講演会にて、只野英昭さん、弁護士の吉岡先生、齋藤先生に登壇して頂き、当日そしてその後何が起きたのかを話していただきました。その際に、やはり現地に来て、実際に自分の目で確かめて欲しいというお話があり、私たちもそうしたいと願っていたので、その思いが実現できました。

2011年3月11日の東日本大震災時、大川小学校では児童74名(うち4名は現在も行方不明)が亡くなり、同時に教職員10名も亡くなりました。学校において児童が犠牲になった事件としては戦後最悪の惨事とされ、今も多くの人の記憶に残っています。その後のことをつづったドキュメンタリー映画『生きる』も公開されていましたが、私たちはそれを観て、起きた事実をある程度理解していました。

私たちは今回、その現場となった大川小学校へと足を運びました。語り部である只野英昭さんと共に、校舎に残る被災の跡や周辺の自然環境を、自身の目で見て、実際に歩きながら、あの日起こってしまった出来事についてたくさんのことを考えました。「私たちなら何が出来るのか」「今後このようなことを起こさないためには」そして「裏山があまりにも近いのに、なぜあそこに逃げなかったのか」など、私たちはこの出来事から目を背けず、将来のために考えていかなくてはなりません。

また、案内してくださった只野さんは、合宿2日目の夜に宿泊先のホテルにまで来てくださり、夕食を一緒に食べた後にお酒を飲みながら、大川小学校の出来事だけでなく、只野さん自身の私的な話などもたくさん話してくださいました。

2日間を通じて、只野さんが繰り返し話されていたことは、第三者による傾聴ケアの重要性です。被災経験のある人に対して、出来事を忘れさせたり、口にしないように閉ざすのではなく、話したいことをそのままに話してもらうことで救われる人は多いということでした。
話さない人は、あの日のままにいる、という言葉が印象的でした。

教員を目指す私たちにとって、教員は保護者の次に子どもにとって身近であるからこそ、子どもたちの心に寄り添うべく、傾聴ケアをより意識的に行わなければならないということを改めて認識させられる機会にもなりました。

東日本大震災による大川小学校での出来事は、必ずこの先の未来の教訓にしていかなければならないと強く感じています。

4年生は半年後、3年生は1年半後には教育現場に立ち、1人の教員として子どもたちを守らなくてはなりません。今回の見学を通じて実感した防災への意識を高めるということはもちろんですが、教員間でのコミュニケーションなど学校の組織としての在り方についても、もう一度自身の考えを見つめ直し、今回の学びが、今後の人生に確実に活かされるよう、日々考え続けていきたいと思います。


(臨床心理学ゼミ:4年 鈴木未来 盛一光輔 矢倉駿)

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