玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
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館蔵資料の紹介 1995年

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『海軍体操とデンマーク体操』

『海軍体操とデンマーク体操』

(右)『ニルス・ブック基本体操』 昭和6年刊行
(左)『海軍体操教範』 昭和14年

「玉川学園とデンマーク体操」の関係を聞かれた場合、玉川学園の学生・生徒にとってはニルス・ブック氏を語るまでもなく、多くの答えが返ってこよう。しかし、「かつての日本海軍とデンマーク体操との関係は?」と聞かれて答えられる者が幾人いるであろうか。

学園史料室によって編集された1冊の資料集『海軍体操とデンマーク体操』には海軍体操とデンマーク体操がいかにして結付いたのか、その経緯や玉川学園と海軍体操との関係も含めて、貴重な資料が収集されているのである。その序文で編集を担当した岩渕文人氏(元学園史料室長)は次のように語っている。

「海軍に海軍体操あり、その影に海軍体操を自分の体験と研究を通じて育てあげた堀内豊秋大佐(註・参照)がおられた。広く知識を世界に求め、良い物をすすんで取り入れ改良を加えた。戦い終るまでの15年に満たない歴史であったとはいえ、現在も語り伝えられているこの海軍体操は、残念ながら総合的にまとめられた記録がなく、その文献も資料も断片的なものばかりである」と述べ、関係資料の収集・資料の年代別集成の意義を評価している。

なお、この資料集は、日本体操史概要・デンマーク体操概要・海軍体操関係諸話・海軍体操教範(含海軍体操指導案)・海軍体操実績・玉川学園と海軍体操・戦後の海軍体操の順に載せられている。

そして結語では「海軍体操、それは海軍軍人自体が体力の不足を痛切に感じ、更には国民の体力低下に対する危惧と対策を求めて、世界の最先端の技術を誇るデンマーク体操から、取り入れて造りあげた体操であり、かくして日本全体に大きな輪となって広がっていった。このデンマーク体操=ニルス・ブック氏の基本体操を初めて日本に種子播きしたのが小原國芳先生であった……」と、しめくくっている。

(註)据内豊秋大佐は、終戦後、オランダ軍事法廷に召喚され、セレベス島メナドにおける部下の行為の責任をとり処刑された。

「全人」1995年9月号(No.567)より

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