玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
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館蔵資料の紹介 2021年

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日本國産食用蕈(きのこ)類一覽圖

日本國産食用蕈(きのこ)類一覽圖

作者不詳 縦36.7×横25.4cm
文會舎(東京) 明治初期

今回紹介する日本國産食用蕈類一覽圖は、日本に植生している、食用となりうる様々なきのこを紹介したおもちゃ絵である。おもちゃ絵とは江戸から明治期にかけて流行した、主として子どもを対象にした錦絵のことを指す。ハサミや小刀で切り取り細工して遊ぶものや、鑑賞・学習用のものがある。
本資料は松蕈(まつたけ)、香蕈(しいたけ)、玉蕈(しめじたけ)、榎蕈(えのきたけ)、木耳(きくらげ)など、今日の食卓でもおなじみのきのこが絵図でわかりやすく紹介してあるので、鑑賞用おもちゃ絵であり、学習教材としての役割もあったと推測する。このおもちゃ絵の内容に対応しているのが、1873(明治6)年に文部省が刊行した「博物圖」である。
「博物圖」とはアメリカ合衆国の教育者であるウィルソン(Marcius Willson:1813−1905)とカルキンズ(Norman Allison Calkins:1822−1895)の「学校家庭用絵図」を文部省が模倣して制作した掛図のことを指し、第一から第四博物図が制作された。日本國産食用蕈類一覽圖に掲載されているきのこの多くが、第四博物図に描かれている。

「全人」2021年6月号(No.861)より

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