玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
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館蔵資料の紹介 2025年

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「ヘイワノハル」『ハト』巻ノ1

No.384

「ヘイワノハル」
『ハト』巻ノ1

熊谷元一 画 愛育社発行
縦25.0×横17.2cm 1946(昭和21)年

今年も春の訪れを感じる季節になったので、季節感のある資料を紹介したい。「ヘイワノハル」という一文が童画家、熊谷元一(くまがいもといち)(1909−2010)による初春頃の美しい田園風景の挿絵付きで太平洋戦争終結直後の児童書『ハト』に掲載されている。この書籍の裏表紙には母親たちに宛てた説明があり、子どもの情操を培い健全な興味と智識を与えるためにこのような高級優美な絵本を刊行したと書かれている。

挿絵には藁吹き屋根や平屋建ての家屋、農作業に勤しむ大人や子どもの姿が描かれている。農村ではまだ馬が使われていたことを示す描写もある。文章は「サムイフユガ スギルト、アタタカイ ハルニナリマス。ハルニナルト、カレタヤウナ木ノエダヤ クサノネカラ アタラシイ カアイラシイ メガ デマス。」「ワタシタチハ、日ヲテラシアメヲフラシテ クダサル 天ノカミサマニ、サクモツガ ヨクデキルヤウニ、オイノリ イタシマセウ。」などと書かれており、太平洋戦争が終わり、穏やかな日々が戻ってきたことを感じさせる。

「全人」2025年3月号(No.902)より

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