館蔵資料の紹介 2025年
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No.384
「ヘイワノハル」
『ハト』巻ノ1
熊谷元一 画 愛育社発行
縦25.0×横17.2cm 1946(昭和21)年
今年も春の訪れを感じる季節になったので、季節感のある資料を紹介したい。「ヘイワノハル」という一文が童画家、熊谷元一(くまがいもといち)(1909−2010)による初春頃の美しい田園風景の挿絵付きで太平洋戦争終結直後の児童書『ハト』に掲載されている。この書籍の裏表紙には母親たちに宛てた説明があり、子どもの情操を培い健全な興味と智識を与えるためにこのような高級優美な絵本を刊行したと書かれている。
挿絵には藁吹き屋根や平屋建ての家屋、農作業に勤しむ大人や子どもの姿が描かれている。農村ではまだ馬が使われていたことを示す描写もある。文章は「サムイフユガ スギルト、アタタカイ ハルニナリマス。ハルニナルト、カレタヤウナ木ノエダヤ クサノネカラ アタラシイ カアイラシイ メガ デマス。」「ワタシタチハ、日ヲテラシアメヲフラシテ クダサル 天ノカミサマニ、サクモツガ ヨクデキルヤウニ、オイノリ イタシマセウ。」などと書かれており、太平洋戦争が終わり、穏やかな日々が戻ってきたことを感じさせる。

