館蔵資料の紹介 2025年
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No.386
子供遊端午(こどもあそびたんご)のにぎわい
作者不詳 木版色刷 大判錦絵2枚続
縦37.0×横49.3㎝ 1868(慶応4)年
幟(のぼり)や馬印が立ち並び、武者人形や鍾馗(しようき)像が飾られ、周囲を子どもたちが取り巻いている。にぎやかな端午の節供の場面に見えるが、実は1868(慶応4)年3月から翌月初め頃の戊辰戦争の局面を諷刺した錦絵版画である。右が旧幕府側、左が新政府側で、衣服の柄が人物や藩を暗示し、政情や戦況を物語る。
右側前列は、菊柄の着物で坊主頭が輪王寺宮、出身の鹿児島鶴丸城に因む鶴柄の帯の女性が天璋院(てんしよういん)、はしご柄で一橋家出身を表す徳川慶喜になる。3月に駿府城で、輪王寺宮が慶喜の助命と東征の中止を嘆願したことを踏まえている。右側後列に控えるのは、名産品・家紋・地名を表す柄で会津・庄内・米沢・紀伊・加賀の諸藩とわかる。
左側は、名産の絣(かすり)の着物の薩摩、萩・蝶柄の長州、城の金の鯱が有名な尾張、藩主の家紋が橘の彦根、蔦(つた)の津などの諸藩である。薩摩藩に抱かれる子どもは、猪口に4本線柄で勅使(ちよくし)に仮託した明治天皇であろう。
非合法出版のため作者などの記載はないが、 歌川芳藤(うたがわ よしふじ)(1828−1887)作との説がある。

