玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
全人掲載年

玉川大学教育博物館
〒194-8610
東京都町田市玉川学園6-1-1
Tel:042-739-8656
Fax:042-739-8654
mail:museum@tamagawa.ac.jp

館蔵資料の紹介 2025年

玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2025年 > コンポジション

コンポジション

No.390

コンポジション

アルベルト・ブーリ 作 油彩
縦53.0×横43.0cm
イタリア 1950年

どこから始まりどこで終わったのか。曲線と直線が重なりあい地と図が曖昧で分からなくなる。縦横と上下を置き換えても違和感がないように見えるのはなぜか。

ブーリはキャンバスを回転させている。重力で黒茶褐色の顔料は垂れ、無数の小さなグリッドをつくり出し、そこかしこに出現する微(かす)かな白いひび割れ脈と入り混じる。その大胆で繊細な制作プロセスは、物質に触れその性質を知りつくし直観的に引きだし、見たこともない絵の世界を創りだし私たちを驚かせる。戦後イタリアでブーリは、タール、麻袋、木材、鉄、プラスチック、亜鉛などの手近な素材を迷いなく切り貼り、縫合や溶接をし、もしくは聖者のように表面の亀裂を静かに見守った。そして多くを語らなかった。医師から画家に転向したブーリは、ルネサンスのフレスコ画の伝統からも同時代の前衛作品からも、そして物質そのものからも謙虚に学びつづけ、絵画を超え、次世代のムーブメント、アルテ・ポーヴェラに先駆けていた。

「全人」2025年10月号(No.908)より

前の記事を見る  次の記事を見る

玉川大学教育博物館

このページの一番上に戻る