館蔵資料の紹介 2025年
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No.390
コンポジション
アルベルト・ブーリ 作 油彩
縦53.0×横43.0cm
イタリア 1950年
どこから始まりどこで終わったのか。曲線と直線が重なりあい地と図が曖昧で分からなくなる。縦横と上下を置き換えても違和感がないように見えるのはなぜか。
ブーリはキャンバスを回転させている。重力で黒茶褐色の顔料は垂れ、無数の小さなグリッドをつくり出し、そこかしこに出現する微(かす)かな白いひび割れ脈と入り混じる。その大胆で繊細な制作プロセスは、物質に触れその性質を知りつくし直観的に引きだし、見たこともない絵の世界を創りだし私たちを驚かせる。戦後イタリアでブーリは、タール、麻袋、木材、鉄、プラスチック、亜鉛などの手近な素材を迷いなく切り貼り、縫合や溶接をし、もしくは聖者のように表面の亀裂を静かに見守った。そして多くを語らなかった。医師から画家に転向したブーリは、ルネサンスのフレスコ画の伝統からも同時代の前衛作品からも、そして物質そのものからも謙虚に学びつづけ、絵画を超え、次世代のムーブメント、アルテ・ポーヴェラに先駆けていた。

