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    更新日 2025年5月19日

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花菖蒲図鑑

TOP > 花菖蒲図鑑 > 品種一覧-あ行 > 興津波

おきつなみ

興津波

Okitsunami

肥後系 【花容】垂れ咲き(平咲きに近い) 【英数】六英 【花色】純白 【開花時期】6月中旬

分類 : 肥後系。垂れ咲き(平咲きに近い)の六英花です。
花被 : 純白の六英花で、花径は15cm程度。花柱枝と花被片の結合部が深い「深咲き」です。
花柱枝 : 太くて大きく、花被片と同様に白色です。中心部は太くやや黄色みを帯びたクリーム色をして います。ずい弁は指のような形状で、前端部は丸くなっていて肥後系の特徴がよく表現されて います(品種「帰帆(きはん)」の項を参照)。 なお、写真の最後の部分は、花柱枝に「とさか状の突起」が見られます。これはアヤメ科の 「シャガ」などにも共通する形質で、本学の研究により「雄しべ、雌しべが多数に分かれて花 被片が多くなるもの。花菖蒲では(働花)と呼ぶ」が形成する要因になっているとも考えていま す→品種「庭燎(ていりょう)」の項を参照。
備考 : 1890年〜1901年頃(明治時代)に、肥後(現在の熊本県)で野田三郎八氏によって育成された と言われています。本品種は、肥後の「満月会」で育成された品種で、その時の品種名を「清海(せいかい)」と呼んでいました。 しかし、満月会会員であった西田信常氏が横浜で植木業を営むために退会した際、譲られた品種が本品種です(→庭燎(ていりょう)の項を参照)。 本品種を販売するにあたり、西田信常氏は、肥後・満月会の品種名で販売することをはばかったようで、自身で品種名を改名して販売しました。肥後・満月会の品種名と、西田信常氏が改名した新品種名の内、現在までに判明している品種は本品種を含めて22品種ほどあります。本品種の場合は、肥後・満月会では「清海(せいかい)」、西田信常氏によって解明されて「興津波(おきつなみ)」となりますが、実際には同じものということになります。 門外不出の肥後・満月会の品種の特徴を垣間見ることができる点で非常に貴重な品種と言えます。肥後系品種の特徴については、「庭燎(ていりょう)」の項、および「花の品種改良の日本史」を参照してください。

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