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    更新日 2025年5月19日

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花菖蒲図鑑

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ぷりまばれりーな

プリマバレリーナ

Prima ballerina

     
アメリカ(例外) 【花容】平咲き 【英数】六英 【開花時期】6月中旬

分類 : アメリカ(例外)で平咲きの六英花です。
外花被 : やや薄い桃色の地で非常に細い溝のような筋が見られます。全体的に花被片が硬く、緩やかに垂れます。 アイの色は黄色で中心部が先端に向かって伸びます。ハローの部分には発達していません。
花柱枝 : 地の色は白色で、ずい弁は寝ています。ずい弁の形状は爪状です。先端部は2裂になりやや立ち上がって内側に巻いています。くもてなどは見られず円形です。ずい弁の色は淡い桃色をしています。
備考 : 1957年(昭和32年)にアメリカ人の育種家、ペーン氏により育成された品種です。ペーン氏はわが国の伝統的な園芸植物であるハナショウブを育種したアメリカ人で、独自の観点から育成した品種があります。歴史的に見るとわが国の伝統的な植物を、海外の方が品種改良した点で特筆できるので、ペーン氏に代表される品種群を敢えて「アメリカ(例外)」と呼ぶことにしています。アメリカ人がわが国の伝統的な花菖蒲の品種を使って、花菖蒲の品種を育種した点は、グローバル化を目指すわが国にとって、大いに歴史的価値を持つものとして高く評価されています。アメリカ(例外)の品種群の特徴として、花径が大きく、原色が非常に濃い傾向にありますが、本品種は全体的に見ると淡い桃色の平咲きに見え伊勢系のように見えます。ただし、花被片が垂れ下がることはなく、桃色の色調がやや青味がかったような桃色であり、わが国の例えば伊勢系の品種とは全く異なった花容であり、花色も淡い色彩をしています。なお、本学の調査で顕微鏡でみると、花被片表面に桃色の粒に交じって青色の粒状の細胞が見られるのが特徴です。
参考文献 : 田淵俊人.2014.伝統の園芸植物,ハナショウブの特性に関する研究 4.アメリカ品種群について.園芸学研究。13(別2):507.
  1. 田淵俊人.2016.アメリカ人による花菖蒲の育種―国外に認められた日本伝統の美.柴田道夫監修 (→参照)『花の品種改良の日本史』 254.悠書館,東京.

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