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    更新日 2025年5月19日

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花菖蒲図鑑

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なにわづ

浪花津

Naniwazu

伊勢系 【花容】垂れ咲き 【英数】三英 【花色】やや灰色がかった桃色
【開花時期】5月中旬(5月15日、2016年)

花被 : 外花被は丸く垂れ咲きになり、やや肩の部分がはったように 見えます。

伊勢系の品種の特徴は、外花被片が下に向かって垂れることが特徴ですが、より詳しく見ると、富士山のように傾斜して垂れる「傾斜型」、丸く抱えるように垂れる「丸抱型」、そしてまるで怒り肩のように、いったん外に向かって肩をはるようにしてから垂れる「怒肩型」の3つに分類することができます。
この品種の場合は、「怒肩型」に近い形をしているのがわかります。他の伊勢系品種と比べてみると一目瞭然です。

花色は薄い灰色がかった桃色で、しわの程度は少なく、外花被の一部が内巻きとなってねじれたようになります。脈は濃い赤桃色でアイの先端部から外花被片の先端部にかけてやや太い脈があります。内花被は斜め上に向かっていて、薄い桃色です。
花柱枝 : 桃色でずい弁はやや細長く横に寝たようになっています。ずい弁もよく発達していますが、ずい弁先端に切れ込みの入る「くも手」はほとんど見られません。
備考 : 非常に早咲きの品種で、5月に入るとすでに花蕾が上がって きます。花茎が発達した後、開花に達するまでの日数も早い 傾向にあります。やや茎が細く根がよく発達していないと倒れやすくなります。 1940年以前に育成されたといわれ、現在では「伊勢古花」として扱われています。以前には、切り花生産用の品種として用いられた経緯がある品種です。

この品種と同じ時期に開花する、早咲き品種には「沿海州」などがありますが、「沿海州」はノハナショウブのような形、色をしていて野生種と思われる花容です。現在では、日本各地の花菖蒲園でもこの品種はあまり見かけなくなりました。 なお、同じ読み方の品種で肥後系、大船系の品種がありますが、これらは本品種とは別品種で漢字も「難波津」です。
参考文献 : 1.中村泰基・田淵俊人・平松渚(2008) 日本伝統の園芸植物、ハナショウブの特性に関する研究 2.伊勢系ハナショウブの外花 被片に特徴的な「縮緬状構造」の組織学的構造に関する研究.園芸学研究 7(別2):577.
2.Tosihhito Tabuchi・Azusa Komine and Takayuki Kobayashi(2013). Histological structure of the ‘Crepe-like’structure of the outer perianth in the Ise type cultivar in the japanese irises.  International Symposium on Diversifying Biological Resources. 46-47.

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