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    更新日 2025年5月19日

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花菖蒲図鑑

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れんだい

蓮台

Rendai

大船(例外) 【花容】平咲き 【英数】多弁花 【花色】紫紅色 花径18cm 【開花時期】6月中旬
2019年は6月7日開花なので高温が続く時は初旬開花 草丈60cm花茎

分類 : 神奈川県立フワラーセンター大船植物園で育成された大船(例外)品種で、「十二単」を基にして育成された品種で、花被数は8〜12弁になります(八重咲き)。
花被 : 花被片の一枚一枚が細長く、通常の八重咲きのように花被が重なり合うことは少なく、放射状になります。外花被片数は3枚ですが、内花被片数が増加するので、結果的には花全体としては「八重咲き」として見えるようになります。紅紫色の地に脈全体が濃い赤紫色の筋が入ります。写真のように、花柱枝の下に沿うようにして存在する雄蘂(おしべ)が伸長して花器官より突出し、その先端部に花被片状の濃紅紫色の細胞が発達すると、さらに花被片数が多くなるように見えます。このように、花被片数が増加した上に、雄蕊が伸長して先端部が花弁化するので、花被片数が多く見えるようになります。花被片基部の黄色のアイは、外花被片と内花被片の基部に発達するので基本的には6つ見えることになりますが、稀に雄蕊が極端に発達すると、その基部にアイが発達することもあります。アイの黄色は非常に大きく、先端が脈に沿って長く伸びること、濃い紅紫色の花被片の色との対照でよく目立ちます。その周縁部は白色です。なお、花被片には皺はほとんどありません。
花柱枝 : 花柱枝の数は通常は3つですが、それぞれが縦方向に裂開して、4〜6本になり直立します。灰色に見える薄い赤紫色で筋の部分は赤紫色、先端部のずい弁は内巻きで、赤紫色をしています。花柱枝の裏側に雄蕊がありますが、これが発達して棒状になると、花柱枝の間から、棒状に突出し、さらに発達すると花被片化し赤紫色に着色します。
備考 : 1917年(大正6年)に、神奈川県立農事試験場(現:神奈川県立フラワーセンター大船植物園)の場長・宮沢文吾博士により育成された品種です。江戸花容の「十二単」を自家受精して得た雑種第一代の中から選抜されて育成されました。このような形質を持つ大船(例外)品種は少ないです。
以下に本ホームページに掲載した大船(例外)品種をあげましたので参照ください。
大船(例外)品種一覧
参考文献 :
  1. 松下芳恵・椎野昌宏・賤機高康・田邊孝・田淵俊人.2006. 日本の伝統的な園芸植物、ハナショウブの外部形態に関する特性評価 1.大船育成品種について.園芸学会雑誌.75(別1):387.
  2. 田淵俊人.2016.花菖蒲の品種分化の歴史とその原種ノハナショウブ.園芸春秋.11、12号合併号:2.
  3. 田淵俊人.2016.貿易の自由化とハナショウブの輸出―国際化に貢献したハナショウブ.柴田道夫監修 『花の品種改良の日本史』 252−254.悠書館,東京.

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