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    更新日 2025年5月19日

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花菖蒲図鑑

TOP > 花菖蒲図鑑 > 品種一覧-さ行 > 四海波B

しかいなみB

四海波B

Shikainami B

伊勢系 【花容】垂れ咲き 【英数】三英 【花色】薄い藤紅色 白筋 短幹/中輪 【開花時期】5月下旬〜6月上旬(撮影:2017年は6月15日、2018年は5月23日、撮影者:大学院修士課程・唐澤健太)

分類 : 伊勢系の垂れ咲きの品種です。
外花被 : 円形で薄い藤紅色地に白色の筋が入っており、全体的にフリルのような浪打ちと縮緬のような細かい皺が見られます。いわゆる「肩」の部分で皺の構造が著しく発達し、周縁部 は内巻きとなって脈間の細胞には皺の構造が発達します。
内花被 : さじ状で細長く、軸に対して垂直に立ちます。外花被片よりも淡い藤紅色、紅色の糸覆輪 が入っています。周縁部はやや内巻きになります。
花柱枝 : 白色で太く、周縁部は外花被片と同様の藤紅色です。花柱枝の周縁部とずい弁には、薄 紅色の覆輪が見られます。先端部のずい弁は大きく2裂開し、先端部には「くも手」が発 達します。ずい弁の色は外花被片と同じ藤紅色です。
備考 : 1907年以前に、三重県津市にあった品種です。三重県の松阪市で育成された品種に も、「四海波」という同じ名称の品種があったため、松阪市の品種を「四海波A」とし、津市で育成された品種を「四海波B」として区別し ているようです。 なお、「四海波」という品種名は、ハナショウブには肥後系にも4品種あり、それぞれの 花容、花色などが異なりますので区別が必要です。 なお、本品種は、同じ伊勢系品種の「朝日空」と非常に似ていますので、今後この違いなどを研究していく予定でいます。
引用文献 :
  1. 冨野耕治.1967.花菖蒲.泰文館,、東京.80.
  2. 中村泰基・田淵俊人・平松渚.2008.日本伝統の園芸植物,ハナショウブの特性に 関する研究 2.伊勢系ハナショウブの外花 被片に特徴的な「縮緬状構造」の 組織学的構造に関する研究.園芸学研究.7(2):577.
  3. 中村泰基・田淵俊人・平松渚.2009.日本伝統の園芸植物、ハナショウブの 特性に関する研究(第4報)伊勢系ハナショウブの外花被片の「しわ」 (縮緬状構造)は、花被の向軸、背軸面の細胞形態の違いと伸長の ギャップによって生じる.園芸学研究.8(2):579.
  4. Komine,A.,Kobayashi,T. and T.Tabuchi. 2013. Histological structure of the ‘Crepe-like’structure of the outer perianth in the Ise type cultivar in the japanese irises. International Symposium on Diversity. Abstract.
  5. 田淵俊人.2016.伊勢ハナショウブの成立.柴田道夫監修 『花の品種改良の日本史』、悠書館、東京.250−251.

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