第6回
品質管理検定について

品質工学研究室では、企業のものづくりにおいて、主に品質・環境活動に関連する研究を行っています。

4月に新1年生より“工業高校在学中に品質管理検定4級に合格しました。3級は不合格になりましたが、この検定は企業で役立つ資格なのでしょうか?”という質問がありました。今回は、この品質管理検定とはどういうものかについて簡単に説明します。

品質管理検定(QC検定)は、製品品質の改善、コストダウン、企業体質改善など、日本の産業界全体のものづくり・サービスづくりの質の底上げをサポートすることを目的に、社会人や学生などを対象に品質管理や標準化の考え方や実施法、品質管理手法について、筆記試験により知識とその応用力のレベルを客観的に評価し、認定(民間資格)を与えるものです。英語検定や日本語検定などに対しての品質管理バージョンだと考えてください。

品質管理検定では、仕事や企業・組織内での役割で異なる“期待される能力”を発揮するために必要な知識レベルにより四つの級に分かれています。この検定は、2005年に日本品質管理学会の認定を受けて、日本規格協会及び日本科学技術連盟が主催するもので、トヨタ自動車、パナソニック、資生堂、日本生産性本部、日本自動車工業会など、多くの品質先進企業や団体の協賛を得て実施されています。

毎年3月と9月に開催され、毎回50,000人以上の人が受験し(年々増加しています)、社会貢献度の高い事業として認識されていて、最近では、企業・団体の人事評価にも使われています。自分自身のキャリアアップにつながることはもちろんのこと、持っていると就職活動にも活用できます。高校生であれば4級に合格、大学生であれば3級とは言わず2級に合格してほしいです。難題ですが、できれば1級合格へのチャレンジを期待します。

2015年6月1日 直井知与教授