第1回
ケーススタディ 1

トータルプロダクションシステムに関連する演習です。製品を造るプロセスを分解してゆくと、「工程」、「作業」、「要素作業」、「動作」というように細分化することができます。このようなプロセスを”三角折り紙”を使って学習します。単にもの作りだけでなく”誰でも使えるもの”ユニバーサルデザインでも同様な分析を記録し、より人にやさしいもの作りにも役立てます。さらに目の動きなどを合わせて分析すると、ソフトウェアのユーザーインターフェースも同様な方法論を利用しています。

もの作りに利用するロボットは、技能レベルが高い人を分析し、最初の動作過程をプログラミングします。さらに動作を解析し、ムダを排除します。演習では、”三角折り紙”のでき具合(品質)を決められた特性(寸法や角度等)を測ってみると数値がばらついていることがわかります。どうして数値がばらつくのでしょう?それを見つけ出すのも演習の一つです。さらに1回より20回目のできあがり時間は短くなっています。これは、作業に対する学習効果によるものです。普段体験していることが、身近に確認できる演習です。

このような基本的なことも企業の競争力に影響を与えます。それは、価格(Price)、品質(Quality)にも与える基本要素です。

2009年12月1日 小野道照教授