第3回
日下先生ゼミの風景1

皆さんはじめまして。私のゼミでは数学の勉強をしているのですが、ゼミに入る学生は皆、中学や高校の数学の先生を目指しています。数学の先生になるには、教員採用試験に合格しなければならないので、ゼミでは専門の数学のほかに採用試験対策もしています。各自好きな問題集を用意してもらい、分からないところを一緒に考えるのです。ここでは、そんなゼミでの学生と私のやり取りを紹介していきたいと思います。(ゼミでは直接学生には言わない私の心の声もここでは出す予定^^))

はじめに登場するのはM君です。

M君 「今日考えたいのは 7x+13y=3を満たす全ての整数x、yを求めよという問題です。」
私  「どの位までできたの?」
M君 「いや~全然分からないです。」
私  「・・・全然って、分かったこともあるでしょ?」
M君 「ないです!(きっぱり)」
私  「全ては求められなくても、1つ位は見つけられるんじゃない?」
M君 「うーん、7×2=14だから・・・x=2、y=-1のときは7×2-13×1=1で・・・ということは右辺を3にするには、3倍してx=6、y=-3にすればいいから、・ ・・ありました!x=6、y=-3です!」
私  「すごいじゃん!」
M君 「でもこれ以上分からないです!(きっぱり)」
・・・・

と続いていきますが、続きは次回に。
M君は答えのひとつを上手く見つけましたが、他にも答えはいくらでもありそうです。それを「全て」求めるにはどうすればいいのでしょうか?M君と私の問答もしばらく続きます。みなさんも考えてみてください!ではまた。

2009年12月14日 日下芳朗准教授