第8回
汗と涙の7日間 MS学科の新たな実習・ビジネスコンテンツ

今回は、今年度から始まった『ビジネスコンテンツ』という夏期集中授業の紹介をします。

ビジネスコンテンツという授業は、チームが一丸となり、与えられたテーマに沿って、さまざまな情報収集し、アンケート調査等を通して実現可能性が高く市場価値のある事業を計画する!というものです。小酒井、山田、小林(直)の3人がコーディネータとして運営しております。たいへんな授業だけに、私たちも真剣です。

ビジネスコンテンツは、いわゆるビジネスコンテストや起業コンテストに近いものですが、そこはそれ理系であるマネジメントサイエンスですから、ひと味違います。文系だと、ともすれば卒論になりそうなテーマを2年生でやっちゃうというのもポイントです。さらに、7日間という短期間のうちに、ビジネスとしてどれだけ成功するか、サイエンスとしての根拠も提示しないといけないのです。

例えば、以下の内容をたった7日間で作り上げる必要があるのです。

  1. 経営理念
  2. 経営目標
  3. 年間計画
  4. 財務計画
  5. ビジネスのコンセプト
  6. 顧客のターゲティング
  7. マーケティングミックス
    1. Product 製品戦略
    2. Price  価格戦略
    3. Place  流通戦略
    4. Promotion プロモーション戦略
  8. アンケート集計結果

これら内容をきちんと合理的に説得できなかった企画、単なる絵に描いた餅のような企画だと、すぐに脱落します。最後までやり抜くには、熱意とこだわりと根性が必要不可欠です。

本年度のテーマは、「玉川学園の地域との共生」でした。玉川学園付近でビジネスを始めるにしても、地元とどう折り合いをつけていくかがポイントになります。それに、玉川学園周辺は文教地区ですから、パチンコ店などは出店できません。そういうことも知っておかないといけません。実は、このテーマは当日まで内緒です。下準備もできないようになっています。まさに、電撃戦です。

最終的に、ベンチャー企業の社長とプロの経営コンサルタントから出資をしてもらったら合格!というルールです。途中で脱落すると単位が取得できないため、最低でも6日目の予選まで生き残らないといけません。

街頭アンケート調査の様子
北口商店会会長様インタビューの様子

さらに、この授業は、地元の玉川学園商店会、玉川学園南口商店会の全面的なバックアップを受けて、実現することができたというのも特徴です。私たち教員自身も、商店会長さんたちに、この授業を売り込みにいったんですよ!

おかげさまで、玉川学園前駅にて地域の方々へ街頭アンケート調査をしたり、北口と南口の2つの商店会長さんへインタビューできました(右記、北口商店街会長様インタビューの様子を参照のこと)。

最後の2日間は、企業の宿泊研修施設に泊まり込み、プレゼン大会です。まず、6日目の夜に予選、ここで4チームが通過できました。最終日の決勝では、いくつもの会社を経営する経営者、有名コンサルタント、広告業界で働く卒業生が審査員に迎えることができました。

今年度の優勝チームの企画は、「玉川はちみつ化計画!!」というものでした。「玉川学園=はちみつ」というイメージを膨らませて、いかに地元の活性化を図るかというビジネスでした。

汗と涙の感動の7日間!

実行力とサイエンス力の育成のための授業です。まさに、マネジメントサイエンスならではの授業といえます。

2010年1月29日 小酒井正和准教授、山田義照准教授、小林直樹助教