第17回
人間工学研究室(ゼミ)の紹介1

皆さん、はじめまして。
阿久津です。「人間工学」、「ユニバーサルデザイン(UD)」の分野をゼミの学生と研究しています。これら2つのワードは昨今、いろいろなところで取り上げられていますので、ご存知の方も多いことと思います。

遅ればせながら今回を皮切りに、学生さんたちと取り組んできた人間工学研究あれこれや予想外(!?)の結果となった研究秘話、人間工学研究室(ゼミ)の紹介、授業の様子などを紹介していきますので、気軽に読んでいただければ幸いです。

今回は初回ですので、「人間工学」や「UD」がどのような学問か紹介します。じつは皆さんにとって一番身近な学問ではないかと思います。しかも小さい頃からすでに恩恵にあずかっている。というのは、皆さんが日常使用したり、利用しているもの、例えば衣服や、いす・机、食器、建物、自動車などさまざまなものは、すべて「人」を基準に作られています。部屋の明るさや各種サービスなど、目に見えないものもしかりです。「人」を基準に作られていること=(イコール)人間工学が適用されている、ということです。

皆さんの周りにあるものに、「なぜこのサイズ」「なぜこのかたち」というように「なぜ」をつけてみてください。「人」に合わせて作られていることに気づかれれば、あなたは人間工学の素養がすでにあるといえましょう。

人のサイズや体型、好みや認知機能など、人の緒特性に合わせて安全で使いやすいものをつくりだす学問が「人間工学」なのです。最近ではちょっと格好よく、ヒューマンセンタードデザイン(人間中心設計)と呼んだりしています。

そして、できるだけ多くの人にとって使いやすいものを作りだす、というデザイン理念が「UD」。UDは人間工学デザインの理想形でもあり、その実現には人間工学がコミットし支えています。

今回は学問の紹介になってしまいましたが、次回はゼミの学生さんたちと取り組んできた人間工学研究や予想外(!?)の結果となった研究秘話を写真付で(たぶん)紹介します。ご期待ください。

2010年3月30日 阿久津正大教授