第29回
「緑のカーテンによるCO2削減の効果はいくらぐらい?」

ゴーヤを使った緑のカーテン

読者のみなさん、どうも。
『遊びの美学』がモットーのコザカイ組を率いる“師匠”のコザカイです。
今日はもうそろそろ授業も終わりに近づいてきました。学生たちも定期試験を前に焦ってきているようです。

さて、みなさんは、「緑のカーテン」はご存じでしょうか。今日は、コザカイ組(小酒井研究室)の3年生が始めようとしている「緑のカーテンにおけるCO2削減の経済効果の研究」についてご紹介します。

緑のカーテンというのは、つる植物を用いて窓の外に這わせてカーテンのような役割をさせることです。緑のカーテンは室温の上昇を抑える効果があり、CO2削減の方策として注目されています。

つい先日、コザカイ組の3年生が玉川大学8号館の中庭で、ゴーヤを使った緑のカーテンを作り始めました(写真参照)。それによって、緑のカーテンによる温度低減効果に関わるデータを収集し、CO2削減に関わる経済効果の測定をしようとしています。

緑のカーテンには、主に以下の3つの効果があります。

  1. 遮光性効果
    一般の窓ガラスでの遮光率:15%
    窓を60%覆った緑のカーテンの遮光率:約80%
    これはエアコン設定温度(28℃)で比べると、体感温度に11℃程の差が出る。
  2. 冷却効果
    すだれ:40℃
    緑のカーテン:24℃
    緑のカーテンは光だけでなく、熱も遮ることができる。
  3. 壁面保護効果
    緑のカーテンの温度低減効果により壁の劣化抑制と耐久性向上の効果もある。

以上のような効果により、真夏のエアコン使用率低減によって、20%~30%の省エネ効果が見込まれるそうです。そこで、緑のカーテンの設置によって、どれだけのCO2削減の効果と経済的な効果があるかを測定したら、おもしろそうだと思って始めてみました。これって、「大学のためにも、社会のためにもなる」って感じがしませんか? これからの展開にご期待ください。それでは、また。

2010年7月16日 小酒井正和准教授