第38回
研究紹介 Part.1-プラズマとは?

こんにちは、物理研究室の水野です。今回は、私の研究テーマのキーワードの一つ、プラズマについてお話しましょう。

物質には固体、液体、気体という3つの状態があります。例えば、常温では水は液体ですが、氷点下では氷という固体になり、摂氏百度以上では水蒸気という気体になります。この状態をまとめて物質の三態といいます。全ての物質は原子やいくつかの原子の集まりである分子により構成されています。そして、原子は原子核とその周りを回る電子から構成されています。図に示したように、固体とは原子や分子が格子状に固く結合している状態であり、温度を上げていくと、その結合が緩くなり少し自由に動ける状態になります。これが液体です。更に温度を上げていくと、結合が切れて自由に動き回れる状態、すなわち気体になります。では、更に温度を上げるとどうなるでしょうか。答えは、原子核とその周りを回る電子がそれぞれバラバラに自由に動き回るようになります。この状態がプラズマです。身近な例としては、点灯している蛍光灯の内部では水銀ガスがプラズマとなっていますし、炎もプラズマの一種です。

万物は「地」、「水」、「空気」、「火」からなるという古代ギリシアの四元素論に基づき、固体は「地」、液体は「水」、気体は「空気」、プラズマは「火」にそれぞれ対応するとして、プラズマは第4の物質の状態とも言われています。

このプラズマの引き起こす物理現象を解明していくのが私の研究テーマの一つとなっています。

2010年9月27日 水野貴敏助教