第56回
経営情報工学研究室

研究室で学習する一つの例ですが、いろいろ情報を集めてみたが、次のことがわからない。その情報は、何を言おうとして集めたのか。まず、集めてから何が言えるか考えてみようと思う人もいます。このようなやり方では、いくら時間があっても足りません。さらに考えの軸がブレない提案は難しいでしょう。自分は何を言いたくて、そのためにはどんな情報が必要なのか、最初に考えることが重要です。集めてから考えるは、アプローチとしては発想が全く逆です。

まずは最終的な目的を言葉ではっきりさせることから始めます。そして、目的に沿って仮説を、データを使って客観的に確認することが必要です。

図(薄黄緑)のように上からボールが落ちてきました。落ちるとピンに当たり、右か左に跳ねる。図の下側にどんな風にボールが溜まって形を作るでしょうか。図(水色)のように溜まっていくかもしれません。ピンが三角形に配置されている場合、ピンが四角に配置されている場合、逆三角形に配置されている場合は、ボールはどんな形の分布になるでしょう。無限回、ボールが落ちた場合を予測できますか。

現象を擬似的に作り出して、その傾向をみる方法があります。シミュレーションという方法です。関係するパラメーター(因子)を変えて、パラメーターの影響度合いを観察することもできます。さらにモデル式を作って、制約条件化で解を求めることもできるでしょう。

2014年6月25日 小野道照教授