第58回
授業紹介「解析学Ⅰ」

「解析学Ⅰ」は1年次の春セメスターに行う授業です。内容は一変数関数の微分と積分です。高校3年で学ぶ数学Ⅲの内容と重なる部分も多いのですが、新たに学ぶ内容の代表格は「テイラー展開」です。現在では様々な応用場面でコンピューターによる数値計算が行われますが、その際「誤差」がどのくらいであるかをはっきりさせておくことが大変重要な問題となります。テイラー展開は、様々な関数の近似とその誤差に関する数学的基礎となるものです。また、高校では直感的には明らかと思う内容も、論理的に考えていくととても難しい問題に突き当たることがあります。例えば「面積」です。面積は、小学校から習っていてなじみ深い概念です。そして、三角形や台形などの面積は、「長方形の面積」から導かれていました。では、「長方形の面積」から「丸い図形」の面積はどのように導かれるのでしょうか?これは、ギリシア時代から考えられてきた問題で、実は高度な理論的内容を含むのです。大学で学ぶ微積分は、応用面や理論的側面も重視して授業が展開されます。

2014年7月3日 日下芳朗准教授