第213回
エルデシュ数

研究室の本棚を眺めていると『放浪の天才数学者エルデシュ』(ポール・ホフマン著・平石律子訳)が目に留まりました。約20年前に購入したもので裏表紙にはBOOKOFFの値札シールが貼ったままです。購入当時は学生でBOOKOFFに行くたびに数学関連の本を物色していた記憶があります。

この本によるとエルデシュは「どこにも所属せず、定住地を持たず、古びたブリーフケースには替えの下着とノートのみ。世界中を放浪しながら、一日十九時間、数学の問題を解きつづけた」という伝説の数学者です。先日NHKで放送された『笑わない数学』の「コラッツ予想」の回では「数学にはこの種の問題に挑むための準備ができていない」というエルデシュのコメントが紹介されていました。

エルデシュといえば「エルデシュ数」です。エルデシュ数はエルデシュと共著論文がある人のエルデシュ数は1、エルデシュ数1の人と共著論文がある人のエルデシュ数は2というように、共著者と共著者の経路を何回たどればエルデシュにたどりつくかという数です。生涯で500人以上の数学者と共同研究をし、約1500本の論文を発表したエルデシュならではのユニークな数です。

先日朝山先生とエルデシュ数の話をしたところ、朝山先生のエルデシュ数は3であることがわかりました(私のエルデシュ数は4です)。つまり、朝山先生と共著で論文を発表できればその人のエルデシュ数は4になります。マネジメントサイエンス学科は数学の教員を目指せることもあり、数学が好きな学生が少なからずいます。ぜひ朝山先生のゼミに入ってエルデシュ数が4になることを目指しましょう。

2023年10月23日 三木秀夫准教授