第217回
計算知能研究室の一年(2023年度)

マネジメントサイエンス学科の学生は、3年春学期は必修、3年秋学期と4年春/秋学期は選択となるゼミ活動を行います。2023年度の計算知能研究室の活動を振り返ります。

1. 卒業プロジェクト(4年生・2名)

学生2名は「消費借入計画問題の最適化」を卒業論文のテーマとし、春学期は週1回の定例ゼミで参考文献の論文を複数回読み、著者提供のデータの整理と実験結果の再現を行い理解を深めました。
夏季休業中から卒業論文が進んでいないことに焦りだし、秋学期はゼミの時間を大幅に増やし、上記の実験結果の新たな分析を行いました。12月上旬には学外の研究報告会(大阪・関西大学)にて、複数の大学の教員と学生の前で研究報告と議論、交流を行っています。その後、年末年始も含めてさらにゼミの時間を増やし、2月上旬に卒論発表会を終えました。

4年生は、2022年の秋学期から計算知能研究室に所属した1期生にあたります。最終的に消費借入計画問題の実験結果の回帰分析を主とする卒業論文となり、当研究室の主テーマである計算知能の適用までは到達できませんでした。一方、特筆するほど極めて社交的な学生で、教員との初対面時にゼミの雰囲気はすでに仕上がっており、教員は苦労なくゼミ運営ができました。

2. セミナーA・B(3年生・6名→5名:教職課程2名)

春学期は個々の取り組み内容が異なっていたため、週1回の定例ゼミで各自が黙々とプログラミングに取り組みました。学生4名は、家計簿やバイトのシフト管理の自動化など、自分が作成したい内容と目標を決め、EXCEL VBAによる基礎プログラミングを行いました。既に基礎力のあった学生1名は、JavaによるマリオAIの実装と最適化プログラミングに挑戦しました。
秋学期は学生全員でパズルゲームの数独を探索的に最適化するための計算知能のアルゴリズムを学び、Pythonによる独自のプログラミングに挑戦しました。ゼミ回数は規定の15回より多くなっています。

3年生は、彼らの努力によりプログラミング力が大幅に向上しました。また、ゼミでの雑談を通して、ゆるやかに学生同士が交流し、非常に雰囲気の良いゼミ活動になったと思います。集団としてのプログラミング力の向上は、教員の想像以上でした。

研究報告会(関西大学)
卒論発表会(玉川大学)

2024年2月13日 折登由希子准教授