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動物から学ぶ健全な食生活とは

皆さんはこれから食べる食事を決めるとき、何を思い考えて決めますか。以前に食べたものをまた食べたいと思ったり、好みやその時の気分または状況によって選択されてくるのだと思います。しかし疲れたときに甘いものが食べたくなったり、運動の後にスポーツ飲料がおいしく感じたりするのはなぜでしょう。それは身体が要求する栄養成分があるためです。例えば動物が体内で合成することができないアミノ酸を必須アミノ酸と言いますが、これが含まれていない餌をネズミに与えます。そのネズミに普通の水と必須アミノ酸を溶かした水を選択させると、必須アミノ酸を含んでいる方を多く飲みます。これは体中で不足した必須アミノ酸を補うための行動で、不足したことを体は認識し要求の指令を出していることになります。私たちは哺乳動物が成長過程で見せる離乳に注目して研究しています。離乳は母親の分泌する乳から成熟した動物が食べる飼料への移行ですが、ネズミは仔が自らこの行動をおこします。離乳が進むことは飼料を消化吸収する腸管の発達など、様々な成長現象が関連していると考えられます。この成長の変化を詳細に解析することで、どのように離乳が進行しているのか、また適切な食餌あるいは栄養素の取り方はどのようなものかが理解できると考えています。農学部は食料を生産しそれを加工することを学ぶところでありますが、それをいかに適切に食するかも大切です。

生物資源学科 動物・昆虫機能開発科学領域 宮田徹