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セネガルにおける農業指導

セネガルのサヘル地域では、マンゴーをはじめとし、オレンジ、ココヤシ、バンレイシなどのサポジラ等の果樹を栽培しています。彼らの果樹の繁殖方法は主に、実生繁殖(種を播種して苗を作る方法)であり、日本のように優秀な品種を、接ぎ木や挿し木といった栄養繁殖を行う技術はほとんど普及していません。日本から青年海外協力隊の隊員が普及活動を行っていますが、現地ではまだまだ浸透していないの現状です。そこで今回、鹿児島のNGOの依頼を受け、セネガルで果樹の接ぎ木技術の普及活動を行いましたので、その一部を紹介します。(鹿児島久志農場)

接ぎ木の説明とそのメリットについて説明してから、ポット苗に対する接ぎ木と、定植後4、5年ほど経過した幼木に、高接ぎの講習会を行いました。日本から持参した接ぎ木ナイフとセネガルで購入できるカミソリとビニール袋を帯状に切ったものを用いて、目の前で実演しながら詳しく伝えました。しかし、細かいところは気にしない国民性のためか、作業が非常に雑で、綺麗な切り口を作れるようになるまで大変時間を要しました。その後は上手く出来るようになるまで練習を繰り返してから苗木、幼木に対して接ぎ木を行いました。実際に接ぎ木を行うためには、優良品種の穂木を確保する必要がありますが、今回訪問した農家周辺では、優秀な品種がありませんでした。そこでバスなどを乗りつぎ2時間ほどかけて、農業学校まで行き、穂木を入手しました。品種はキーツ、バレンシア、パルメラの3品種で、この品種を接ぎ木しました。今回指導した技術が、彼らの農業に浸透し、立派なマンゴーが収穫できることを、切望しています。

マンゴーの繁殖方法について説明する
マンゴーの剪定方法の講習
接ぎ木セミナー
バオバブと夕日