小学部英語授業見学 5

2004年秋学期に英語コミュニケーションを受講している学生達が、玉川学園小学部の英語授業を見学させていただきました。詳しい、小学部の英語授業などについての内容は前回の報告(報告1報告2報告3報告4)を参考にしてください。今回は、小川先生による1年生の授業と、アレクシ先生による4年生の授業を見学しました。ここでは、これまでの報告の中に含まれていない内容についてだけ報告します。詳しい小学部の英語授業や環境などについては、これまでの報告を参照してください。

 

見学した授業

1年生の授業では、体の部分を名前を復習していました。先生が、ホワイトボードにロボットの絵を部分ごとに描き、まずその形(Square, rectangular, triangle, etc.)の名前を復習します。次に、その部分が体のどの部分になるかを子供達が答えます。子供達の気分転換には簡単なゲームをして気持ちを盛上げます。次回の授業では、子供達がロボットを作りながら学習したことの復習をするのだそうです。

4年生の授業では、自分の気分や状態についての表現や動物の名前などの復習をしていました。4年生では、それぞれの生徒がワークシートにある質問の答えを自分で取り組む時間もありました。4年生になると、個人差が出てくるので、早くに作業を終らせる生徒やじっくり取り組む生徒もいます。先生は教室の中を歩きながら、1人1人の様子を確認し、サポートの必要な生徒には個別に指導をされていました。

 

小川先生への質問:

「How are you?に対する答えは、えてして"Fine thank you, and you?"などが自動的に返ってくることが多いと思っていましたが、挨拶の場面で子供達が色々なバリエーションで答えていたのに驚きました。基本的な挨拶はどのように教えてらっしゃるのですか?」

「"How are you?"に対して、通り一遍の決まり文句では子供達の現実にあいません。本物ではないことに、子供達はとても敏感です。例えば、"Super good!," "Tired," "So so," "I'm hungry," など、子供達が言いたい答は色々あります。それを決まったパターンにはめて答えさせるようにすると、飽きてしまいます。ですから、小学部では挨拶にも時間をかけて取り組みます。顔の表情を描ける用紙(15パターン分くらい)を準備し、そこに子供達がどんな気持ちのことがあるか表情を書かせます。その表情の時にはどんな風に言うのか、先生が見本を見せてあげるのです。もちろん、授業は英語で行われていますが、子供達はちゃんと理解して、"How are you?"と聞かれた時には、自分の調子に一番あっているものを選んで使おうとします。そして、使っていくうちに慣れていきます。大切にしていることは、「子供が言いたいこと」、そして「子供の中に自然にあること」です。子供は、状況が伴わないと難しいのです。状況から言葉が自然に出て来るようにするために、教師の責任が重いのです。」

 

「1年生と4年生を見学させていただきましたが、低学年と高学年ではどのような点で大きく違うのですか?」

どの学年も英語の4技能(読む、聞く、書く、話す)を大切にしていますが、高学年になるにつれ、「読む」と「書く」の割合が大きくなっていきます。小学校の英語で大切なことは、最終的に子供がPerformanceをすることです。子供のPerformanceは、人前で話すことです。だから、間違えてもいいという雰囲気の中でします。言葉を使っているからこそ、間違えが見つかるのであって、間違えることは一生懸命していることのあらわれなのです。ただし、間違えた子を笑ったりするような子には厳しく注意します。一生懸命やっている子を応援する教室の雰囲気も大切なのです。教師は、子供が一生懸命やっていることは何でも受け入れます。

 

いつも見学を受け入れてくださる小学部に感謝致します。