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    更新日 2025年5月19日

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花菖蒲図鑑

TOP > 花菖蒲図鑑 > 品種一覧-か行 > 神路の雪

かみじのゆき

神路の雪

Kamiji no yuki

伊勢系 【花容】垂れ咲き 【英数】三英 【花色】白 短稈(花茎長は60cm)中輪 【開花時期】6月上旬 2022年は6月1〜5日に開花。2023年は6月2日に開花。

分類 : 「伊勢古花」で、垂れ咲きの三英花です。
外花被 : 形状は円形で、白地で細かい溝のような筋が入ります。細かい「縮緬状」の構造があり、アイの色は少し暗めの黄色(緑色に見えることもある)で先端に向かって鋭く伸びています。開花当初は「水平状に肩を張るようにして開花する「怒肩方」ですが、次第に、なだらかに垂れ下がる「富士山型」の花容になります。
花被片は「ねじれた」ように、大きく曲がって「ひねり」が入っています(上から見た写真を参照)。この場合、外花被片は内巻きになっているので、細く見えます。
内花被 : 形状は、幅広いさじ状(3×3cm)で、白色です。花被は直立する「立弁で」外花被と同じく全体的に縮緬構造が見られます。
花柱枝 : 花被と同じく白地で、直立して先端部で2裂開し、さじ弁を形成します。さじ弁は軸方向に内巻きとなり、周縁部にはくも手が見られます。
備考 : 全体的に白色で、豪快に見える「富士山型」の「伊勢古花」で、大きく斜めに花被片が垂れています。花茎は太く直立し、花径は18cm程度です。やや濃い黄色いアイ見られますが、花被全体に見られる伊勢系独特の縮緬構造が特徴です。
1940年以前に育成された「伊勢古花」です。伊勢系の花容(花型)については不知火の項目を参照してください。6月の初旬に開花する早生品種で、草丈は50p以下です。この品種は、伊勢系の中でも古花で、しかも比較的、外花被片が硬い(暑い)こと、表面にワックス状の物質があり、ある程度の降雨でも水をはじきます。下段の4枚は豪雨にさらされた後ですが、翌日には上の2段のように開花します。
引用文献 :
  1. 冨野耕治.1967.花菖蒲.泰文館,東京.80.
  2. 中村泰基・田淵俊人・平松渚.2008.日本伝統の園芸植物,ハナショウブの特性に 関する研究 2.伊勢系ハナショウブの外花被片に特徴的な「縮緬状構造」の組 織学的構造に関する研究.園芸学研究.7(2):577.
  3. 中村泰基・田淵俊人・平松渚.2009.日本伝統の園芸植物、ハナショウブの特性に関する研究(第4報)伊勢系ハナショウブの外花被片の「しわ」(縮緬状構造) は、花被の向軸、背軸面の細胞形態の違いと伸長のギャップによって生じる. 園芸学研究.8(2):579.
  4. Kobayashi,T. and T.Tabuchi. 2013. Histological structure of the ‘Crepe-like’structure of the outer perianth in the Ise group cultivar in the Japanese irises. International Symposium on Diversity. Abstract.
  5. 田淵俊人.2016.伊勢ハナショウブの成立.柴田道夫監修『花の品種改良の日本史』、悠書館、東京.250−251.

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