第14回
日下先生ゼミの風景2

前回の内容:M君は7x+13y=3の整数の解を全て求めることを考えている。全て求めることはまだ出来ていないが、解の1つx=6、y=-3を見つけることが出来た。(⇒日下先生ゼミの風景1

さて今回はこの方程式の整数の解を全て求めることを考えてみましょう。

私 「もし、7x+13y=0だったら、これを満たす解はどうなると思う?」
M君 「・・・7x=-13yだから、x=13k、y=-7k(kは整数)です」
私 「OK!なんで今度はすぐできたの?」
M君 「右辺が0だから簡単です!」
私 「そうそう!だったら元の問題も、右辺=0の形に出来ないかい?」
M君 「・・・」
私 「7x+13y=3と7・6+13・(-3)=3をよく見ると?」
M君 「両辺それぞれ引き算して7(x-6)+13(y+3)=0に出来ます!」
私 「ということは?」
M君 「x-6=13k、y+3=-7k、したがって、x=6+13k、y=-3-7kです!」
私 「やりましたね~」

M君は首尾よく解決することが出来ました。

ゼミではここで終わりましたが、皆さんにはもう少しよく考えてもらうためにもう少し質問をします。

質問1 M君はこれで全ての解を求めたと思い込んでいますが、みなさんはこれで全て求めているという根拠を説明することが出来ますか?
質問2 ax+by=c(a、b、cは整数)の整数の解はいつでも存在するといえるでしょうか?
質問3 例えば、195x+263Y=23のように係数が大きかったら今回の方法で解を求めることは難しそうです。そんなときはどのようにすればいいでしょうか?

ぜひ考えてみて(調べてみて)ください!
M君が今回考えた問題は単純そうに見えますが、実はちょっと深い数学的内容を持つ問題なんです。それらについては大学の代数学の時間に学びます。

2010年3月11日 日下芳朗准教授