2025年1月25日にNECネッツエスアイの本間嗣務様にお越しいただき、ソフトウェアサイエンス学科の1年生向けに、「キャッシュレス決済の秘密」と「情報化裏社会 ICTを利用した犯罪の闇」と題した特別講義を行っていただきました。
前半は、日本におけるキャッシュレス決済の現状とその進展について詳しく解説いただきました。具体的には、日本のキャッシュレス決済がここ数年で約4割の人々に利用されるまでに浸透した背景を紹介されました。国全体でキャッシュレス決済を推進する理由として、インバウンド対応の強化やビッグデータを活用した新たなビジネスの創出が挙げられました。また、参入障壁の低いQRコード決済が今後の主要な決済手段として位置付けられており、QR決済が持つ投資面・運用面・アプリの容易さなど、従来の決済方法にはない大きなメリットについても詳しく説明いただきました。今後の展望として、JPQRの導入推進やQR決済のスーパーアプリ化が検討されていること、さらに次世代のキャッシュレス決済としてBNPL(Buy Now Pay Later)の導入や生体認証技術の導入が間近に迫っていることをご説明いただきました。
後半は、現代のICTを悪用した様々な犯罪手法とその脅威について解説いただきました。具体的には、フィッシングやウェブスキミングなどのクレジットカード犯罪や闇バイトへの対策、ランサムウェアに対する日本企業の強固な対応などについて解説いただきました。急速に進化する生成AIについてもご紹介いただき、生産性を向上させる一方で犯罪や著作権侵害の新たな温床となる可能性について警告がありました。大学に入学してICTセキュリティに関する基礎技術を学び始めた学生にとって非常に有益な内容でした。
これらの技術について触れたことは、これからの大学での学びが、自身の将来にどのように活かされ、社会に貢献できるのかを考える良い機会になったと思います。
本間先生におかれましては、ご多忙の中、本特別講義の講師をお引き受けいただき、心より感謝申し上げます。
2025年02月13日 柴田健一講師