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「Tamagawa-Wizards Partnership 2022-23 ―Hoops, Dance & e-Sports―」実施報告(板倉 令奈)

2022.11.16

この度、玉川学園はNBAワシントン・ウィザーズ等を運営するモニュメンタル・スポーツ&エンターテイメント社(以下MSE)とパートナーシップ契約を結びました。
パートナーシップ契約に伴い、2022年10月1日に玉川学園内でバスケットボールクリニック、ダンスクリニック、eスポーツ体験を実施し会場は大いに盛り上がりました。

この報告では私の専門分野であるバスケットボールに焦点を当て、MSE側のゲストコーチ陣についてのご紹介や参加学生コメント、最後に主催側としての所感を掲載させて頂きます。

ゲストコーチ陣の紹介

グレン・コンサー(Glenn Consor)

ウィザーズのラジオ解説(アナリスト)– Wizards radio analyst

後にバスケットボール殿堂入りを果たす名将リック・ピティーノ率いるボストン大学で選手として活躍後、イスラエルのプレミアリーグ所属のマッカビ・ハイファで2シーズンプロ選手として活躍しました。その後、スポーツキャスターや複数のNBAチームのスカウトマンなどを経て、2000年から現職に就いています。

エリック・ティボー(Eric Thibault)

ワシントン・ミスティックスのアソシエイトヘッドコーチ – Washington Mystics Associate Head Coach

ディボー氏はミズーリ大学を卒業後、コネチカット大学のアシスタント・コーチなどを歴任し、ワシントン・ミスティックスのアシスタント・コーチとして10シーズン、アソシエイトヘッドコーチとして4シーズンを戦いました。ワシントン・ミスティックスが7回のポストシーズンに出場し、2019年にはフランチャイズ史上初のチャンピオンシップの獲得に大きく貢献しました。現在はミスティックスの次期ヘッドコーチとして期待をされています。

マリア・ジョヴァネッティ(Maria Giovannetti)

ワシントン・ミスティックスのアシスタント・ジェネラルマネージャー – Washington Mystics Assistant General Manager

ジョヴァネッティ氏はミスティックスで11年目を迎え、アシスタント・ジェネラルマネージャー(AGM)として4年が経ちました。彼女の存在が2019年には念願のチャンピオンシップの獲得に影響したことは言うまでもありません。AGMの仕事は選手契約、チーム予算管理、チーム編成とミスティックスのマネジメント業務の根幹を担っています。
学生時代はバージニア・コモンウェルス大学でバスケットボール選手とて活躍し、学業面でも成績優秀者「Magna Cum Laude」※としても表彰され文武両道のロールモデルでした。2005年にはコロニアル・アスレチック・アソシエーションのスカラー・アスリート・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。その後、ジョージ・ワシントン大学でスポーツマネジメントを中心とした観光管理学の修士号を取得しました。
※Magna Cum Laudeとは、ラテン語で偉大な名誉を得ることを意味し、生徒がクラスの上位10~15%に該当するか、GPA 3.7~3.8を取得した生徒に授与される学業成績の称号です。

ジョン・トンプソン三世(John Thompson III)

Monumental Basketball Player Development Coach

トンプソン三世氏はジョージタウン大学で13年間(2004~2017年)プリンストン大学では4年間ヘッドコーチをしました。ヘッドコーチとしてNCAAファイナル4への出場、NCAAスイート16への出場2回、ビッグイースト・レギュラーシーズンの優勝3回、ビッグイーストトーナメント優勝1回など輝かしい戦績を残しました。彼の父はジョージダウン大学でパトリック・ユーイング、ディケンベ・ムトンボ、アレン・アイバーソンらNBAレジェンドを指導しバスケットボール殿堂入りを果たした、故ジョン・トンプソン氏です。トンプソン三世氏は、その後は2019年にアメリカ男子代表アシスタント・コーチを務めバスケットボールワールドカップの出場権獲得に貢献後、現職に至ります。

Shannon Clancy

Director, Youth Basketball - Washington Wizards

クランシー氏は、2006年から2012年まで、全米ランクのロングアイランド・ルーテラン高校でアシスタント・コーチを務め、その間、ニューヨーク州選手権のチャンピオンシップを3回獲得しました。また、長い歴史を持つバスケットボールキャンプである【LuHi Summer Basketball School】(過去のディレクターにはステファン・カリーの恩師ボブ・マキロップなどがいる)のディレクターなどを務めて、アメリカバスケットボール界の育成に従事してきました。クランシー氏は、育成年代の指導とイベントのスーパーバイザーとして幅広い経歴を持っています。92ndストリートY(世界的に有名な文化施設)、でスポーツプログラム・ディレクターを務めた後に、現職に就いています。

Gheorghe Muresan

ゲオルゲ・ムレシャン氏は1993年NBAドラフト2巡目全体30位でワシントン・ブレッツ(現ウィザーズ)に入団。当時NBA史上最長身(231cm)の選手として活躍しました。バスケットボールのリングにはジャンプをしないで手が届くほどの高さです。驚異的な高さを活かして、1995-96、1996-97シーズンではフィールドゴール確率部門1位を獲得し、今もウィザーズのレジェンドとして、バスケットボールを通じた青少年の育成に尽力しています。

Rui Machida

Washington Mystics player

町田瑠唯選手は昨年に開催された東京オリンピック2020においてバスケットボール競技で日本バスケットボール史上初の銀メダルの快挙を成し遂げたメンバーのエースガードです。その活躍を評価され、昨シーズンは女子バスケットボール世界最高峰プロリーグWNBAワシントン・ミスティックスの選手として活躍しました。バスケットボール界では小柄な選手ですが、スピードを活かした華麗なプレイは必見です。今シーズンは日本国内トップリーグであるWJBLの富士通レッドウェーブで活躍しています。

参加学生のコメント

体育会バスケットボール部 1年 渡辺亮

「今回のクリニックでは、基礎の大切さを学ぶことが出来た。NBA及びWNBAのコーチ陣によるクリニックなので、最初は難しいドリルをこなすものと思っていたが、内容は簡単なドリブル練習やピポット、シュート練習であった。ドリブルは強くつき、目線を上げる。シュートはアーチを高くするなど、バスケを始めたころに教わったことであった。世界のトップレベルのコーチも基礎の部分はとても大切にしていた。バスケに取り組む年数が長くなると、難しいことに手を出しがちだが、基礎をおろそかにしないようにしたい。」

体育会女子バスケットボール部 1年 吉岡寧

「今回、ウィザーズのイベントに参加させてもらい、普段決して関わることのない方々と、更に私がずっと応援していた憧れの選手にもお会いすることができ、とても貴重な体験をさせていただきました。クリニックでは、普段なにげなくやってしまうミートやハンドリングなどを細かいところまで丁寧に教えていただき、再確認することができました。短い時間ではありましたが、沢山の方々と楽しんで大好きなバスケットボールができて、とても幸せな時間でした。今回教えてもらった事を活かし、更にレベルアップしていけるよう精進していきたいと思います。この度は、とても素晴らしい夢のような時間を本当にありがとうございました。最高の思い出になりました!!」

体育会ダンスドリル部 4年 金子穂乃香

「なかなかできない貴重な経験ができたことをとても嬉しく思っています!チアダンサーとして世界で活躍する方々はダンスのスキルだけでなく、周りの人を元気にする力があると感じました。私たちも大会での結果を残すだけでなく、周りの方々を元気づけられるようなチームでありたいと感じました。
今回の経験で私自身としてもチームとしても良い刺激を受けることができました。この経験を活かし、さらに成長していけるよう、これからも頑張っていきたいと思います。この度はありがとうございました。」

主催側の所感

東京オリンピック2020銀メダリストの「町田瑠唯選手」に注目が集まっていましたが、町外の方たちも世界トップレベルの豪華なコーチ陣でした!

クリニック内容はディフェンスのスタンスや声出しから始まり、ドリブル、ボールのもらい方、ジャンプシュート、ドライブなどの基礎的な練習を4ヵ所のステーションドリルで実施する形で、コーチ陣は汗だくになりながら、わかりやすく丁寧にコーチングしていました。

通訳のサポートはありましたが、バスケットボールという共通言語でスムーズにクリニックは進んでいきます。参加者全員、基礎がいかに大切かを学べた有意義な時間になったはずです。クリニック後はサイン会が自然発生しましたが、皆さん快く対応して頂きました。特にミュアサン氏は昼食会場へご案内しようとしたのですが、「昼食はいいから最後までやらしてほしい」と嫌な顔一つせずに、サインに対応している姿は真のプロフェッショナルだなと感じたワンシーンです。

今回のパートナーシップイベントの主催側として微力ながら携わらせていただきました。当日は大小のイレギュラーな事案が発生しましたが、K-12の先生方、様々な部署から駆けつけてくれた職員の方々の強力なサポートがあり、なんとか乗り切ることができたと思います。今回のパートナーシップイベントを通じて、生徒・学生たちの充実した表情が見られたことは何よりでしたが、教職員同士の絆も深まったことも財産になったと思います!