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ファミリースキーinオーストリア実施レポート(頼光一太郎)

2025.05.30

期間:2025年3月24日~3月31日(7日間)

ファミリースキーの意義およびスキーの歴史

玉川アスレチック・デパートメント(TAD)は、玉川学園における健康教育の推進を目的とし、スポーツイベント等の企画を通じて、「健の教育」の実現に向けて学内外で積極的に活動しています。
「一級品教育が大切である」という考えのもと創設者小原國芳は、1930年に生徒の「どうせ習うなら、世界で一番スキーのうまい人に教わりたい」という言葉に応えるべく、当時の「スキーの神様」と呼ばれたオーストリアのハンネス・シュナイダー氏を招聘し、「本物に触れる教育」を実現するとともに、日本スキー界に多大なる影響を与えました。その後も、「オーストリアスキーの父」シュテファン・クルッケンハウザーを招聘するなど、本学園はオーストリアスキーとの関係を築いてきました。
創立100周年を控えたいま、ハンネス・シュナイダーの聖地であるSt.Christoph(サンクリストフ)の国家検定スキー教師のもとで、児童、生徒、学生、保護者を対象にスポーツ・レジャーのスキーを楽しむだけでなく、教育的・文化的・社会的な知見を深める機会とし「ファミリースキーin オーストリア」を企画しました。

目的

  • St.Christophにて国家検定スキー教師の指導を受ける。
  • 歴史あるスキーの聖地で「本物の体験」をする。

参加者

  • 生徒:Primary Division(5年生)1名、IB Division( 8年生)1名、Secondary Division( 10年生)3名、(12年生)1名
  • 卒業生:1名
  • 保護者:1名
  • 合計:8名
  • 引率者:鈴木淳也(玉川大学教育学部教育学科准教授)、頼光一太郎(Secondary Division教諭)

スケジュール概要

3月24日(月)

夜20時に、羽田国際ターミナルに集合し、23時45分発の便で日本を出発しました。

3月25日(火)

12時間のフライトを経て、朝7時にドイツのミュンヘン空港に到着。8時にはオーストリアのSt.Christophへ向けて大型バスで出発しました。

オーストリア研修のスタートはこのバスから!長旅にも関わらず、出発前はみんな笑顔で元気いっぱいです。

今回の宿泊とスキー指導をしてくれるAustria Ski AcademyのSt. Christoph校は、世界最高峰のスキーインストラクター養成機関の一つです。
国家資格取得を目指すプロ志望者が世界中から集まり、実技だけでなく雪崩対策や教育理論なども学びます。Arlberg(アールベルグ)の恵まれた雪質の中でトレーニングができ、宿泊施設も完備されています。

こちらが今回の研修先「Austria Ski Academy」。雪に包まれた施設に、到着した瞬間から気持ちが高まります!

現地のAustria Ski Academyには11時30分ごろ到着し、12時から昼食、海外の空気を味わいながら、和やかな時間を過ごしました。

初日のランチは仲間と一緒にほっとひと息。

今回私たちが滞在した地域はArlbergというオーストリア西部に位置するスキーの名所で、 St. Anton(サンアントン)や、Lech(レッヒ)、Zürs(ツールス)などの村からなる一大スキーエリアです。リフトは80基以上、滑走距離は300kmを超え雪質や積雪量も抜群で、初心者から上級者まで楽しめます。
世界最古のスキークラブもあり、スキー文化の発祥地としても知られています。

昼食後にはSt.ChristophからSt. Antonという隣町へ移動し、スキー博物館ミュージアム サンアントン・アールベルク(MUSEUM ST.ANTON AM ARLBERG)でシュナイダーの歴史などについて学びました。

さすがアルペンスキー発祥の地!スキーの歴史がずらり。

その後、スキーに関係するショップやレンタルショップでお土産を購入し、街を散策しました。

3月26日(水)

7時30分にバイキング形式の朝食でパンやヨーグルト、フルーツなど充実したラインナップでした。

オーストリアの朝はハムとチーズが主役!朝からお腹いっぱい!

朝食後、9時から宿泊施設のすぐ前のリフトに乗りスキー講習が始まりました。

いよいよ一日目の講習スタートです!

今回講習を担当してくれたのはMr.Adrian Haginger(通称アッチ先生)でした。
アッチ先生は毎年2月の1か月間だけ白馬スキースクールで教えていて、日本でも大活躍!スキー用具もメイドインジャパンのものをいくつか使っていました。

アッチ先生の案内のもと、まずはハンネス・シュナイダーの生まれ育った町であるStuben(ストゥーベン)に向けて出発しました。

時折濃いガスがある中での移動でしたが、ガスの隙間から見える絶景は素晴らしいものでした。

リフトに乗ったら、まずは自己紹介から。
新しい仲間とワクワクのスタートです!

ガスが晴れた瞬間、目の前にパッと広がる絶景に感動!

10時30分にはStubenに到着し、アッチ先生のガイドで町の説明や生家を見学しました。

町の入口にマップがありました!

銅像の前で記念ショット!
スキー板を持ったハンネス・シュナイダーと一緒にパチリ!

その後12時に昼食をとり、13時から講習を再開してStuben周辺のエリアを滑りました。
日本では数か所にしか設置されていない最新鋭のゴンドラがいくつもありました。

最新鋭の10人乗りゴンドラは静かで速い!あっという間に頂上へ。

14時30分に講習を終えた後は、15時30分まで自主練習の時間としSt.Christophのエリアを滑り初日は終了しました。

3月27日(木)

研修2日目は、Arlberg地方でも特に華やかなリゾート地として知られるLechを目指しバスで出発しました。
前日に引き続き濃いガスが出るときもありましたが無事に移動できました。

Lechは、世界的に有名なスキーリゾートとして知られ、多くのスキーヤーやスノーボーダーが訪れます。上質な雪と洗練された施設、静かで上品な雰囲気が魅力で、王族や著名人にも愛されています。ヨーロッパ屈指の高級リゾート地でもあるので、スキー場に隣接するお店にはジュエリー店や高級ショップが並んでいました。

降りたらすぐ目の前に時計とジュエリーショップが!スキーブーツのまま入れますが、中は超高級品がズラリ。

午後はLechを経由してZürsという町のコースを滑りました。
日本でいう林間コースのような長い道のコースですがArlbergの場合は距離や景色はけた違いでした。

14時30分に講習を終えた後は、15時30分まで自主練習の時間とし、この日もSt.Christophのエリアを滑って終了しました。

3月28日(金)

最終日の講習は、Arlberg最高峰の展望スポット、Valluga(ヴァルーガ)を目指してスタートしました。
山頂へは「Vallugabahn(ヴァルーガバーン)」という2つのセクションからなるロープウェイで登ることができます。
1つ目のゴンドラは50人程度が乗れる大きめのゴンドラでしたが、人気地域ということもあり混んでいました。

アルプスの大自然に包まれながら、思いっきり滑り続けた最高の時間でした!

2つ目のゴンドラは6人乗りのゴンドラで標高も高かったので怖さもありました。

展望台からはアルプスの壮大な360度パノラマが楽しめました。

左から鈴木淳也准教授・喜多岡良輔さん・横山慧さん・水木颯人さん・横山凛さん・都河葵さん・奥真美さん・水木亨さん・横山裕美子さん・頼光

午後は、St. Antonの南側に位置するエリア、Rendl(レンドル)周辺での滑走を楽しみました。
Rendlは、St. Antonの南側に広がるエリアで2009年に開業した8人乗りのゴンドラリフト「Rendlbahn(レンドルバーン)」でアクセスでき、標高1,310メートルの麓駅から2,031メートルの山頂駅まで、約7分で到達します。

疲れもピークの3日目午後。でも、晴天のアルプスの景色はやっぱり最高で頑張れました!

14時30分に講習を終えて、3日間すべての講習を無事に事故や怪我無く終えました。

全講習終了!
初めての海外スキーは不安もあったけれど、みんなすっかり仲良くなってファミリーみたいな一体感が生まれました。
最後にみんなでパシャリ

3月29日(土)

朝食後の7時30分にSt.Christophを出発し、ドイツのミュンヘンへ大型バスで向かいました。
12時30分に到着後、13時よりミュンヘン市内を観光しました。

観光名所の新庁舎をバックに記念ショット!

最終日の3月30日(日)は、朝7時30分に空港へ向けて出発し、11時発の便で日本へ帰国しました。

まとめ

今回の「ファミリースキー in オーストリア」では、参加者全員が、スキー技術の向上だけでなく、オーストリアのスキー文化や歴史的背景に触れることを通して、深い学びと気づきを得る貴重な体験となりました。ハンネス・シュナイダーの故郷を実際に訪れ、その足跡を辿ることは、玉川学園のスキー教育の原点を肌で感じる機会となり、本学園の教育理念を体現する時間となりました。
また、現地の国家検定スキー教師から直接指導を受けることで、「本物に学ぶ」ことの意味と価値を実感することができました。ヨーロッパ屈指のスキーリゾートであるArlberg地域の自然環境や施設の充実ぶりにも圧倒され、異文化理解や国際感覚の育成にもつながる研修となりました。
今後もこのような実体験に基づいた学びの機会を継続し、児童・生徒・学生・保護者が共に学び、成長し合える「ファミリースキー研修」を発展的に続けていきたいと考えています。本学園の理念である「全人教育」の一環として、これからも世界に開かれた学びの場を大切にしていきます。