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    更新日 2025年5月19日

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花菖蒲図鑑

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こくりゅうのつめ

黒竜の爪

kokuryu no tsume


江戸系 【花容】玉咲(爪咲き) 【英数】三英 【花色】藤紫色に白筋 小輪 
【開花時期】6月中旬 2019年6月20日開花

分類 : 江戸系で玉咲き(爪咲き)の三英花です。
花被 : 青みがかった紺色で、白色の筋が入ります。花被片の基部が白色の3英花です。開花当日は、花被片が両方の縁が内側に巻いて、花被片全体が先のとがった花蕾のような形状をしています。個体差がありますが、先端が尖って爪状の構造をする場合もあります。周縁部に行くと地の色が青紫になり、刷毛ではいたような白色の絞りが入ります。アイの色は黄色で周縁部には縮緬構造も見られます。
なお、2枚めの写真のように、玉咲きであっても開花の程度が進むと、花被片は水平に開いてこのように三英咲きになる、ということを知っている人が非常に少ないのですが、重要な形質です。基本的に花菖蒲の花器官は、花蕾は開花に伴って、当初、花蕾の時にはこのような玉状になっていて、開花が進むにつれて水平に開いていきます。
「黒竜の爪」のような品種は、上に向かって花被片が咲き、他の多くの花菖蒲品種のように下垂しないので、「上咲き」「爪咲き」あるいは「玉咲き」などと言っています。江戸時代の後期になると、このような形質を持つ品種が育成されたようです。このように、上に向かって開花する類似した品種には、他にも「→白竜の爪」や「→拳くらべ」「→筑羽根」などがあります。 なお、観賞する場合は、花被片の背軸面(裏側)を見ていることになります。内花被片は内部に小さく存在していますが、いずれ研究が進み次第、ここにアップする予定です。
備考 : 1851年以前、あるいは1910年以前(明治時代)に育成されたと言われていますが、育成者は不明です。花被片の形状が強く内巻きなので、この部分には「縮緬構造が見られる玉咲」ということも特徴になりますが、基部と周縁部では、花色が異なることも特徴と言えます。現在、本学・システム農学領域・園芸植物学研究室では、このような形質を持つ品種について、その花器官の開花のメカニズムや遺伝様式について研究中です。
参考文献 : 田淵俊人.2016.ハナショウブ(監修:柴田道夫,花野品種改良の日本史).悠書館,東京.234−244.

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